新東京ビル/アーティストインタビュー(川村摩那)
こんにちは!YOMAFIG.です。
新東京ビルオフィスフロアにおいては、誰もが気軽にアートを楽しめる空間として、2024年5月にリニューアルがなされました。
アートに関心はあったけれど、あまり触れる機会のなかった方もより一層アート鑑賞をお楽しみいただけるよう、館内のアートをご制作くださったアーティストご本人に作品の見どころやアートの楽しみ方を伺ってみました!
ー新東京ビルにかけられている作品について、どのような作品なのか教えてください!
新東京ビルがある丸の内近辺には、皇居の堀を渡るための橋がいくつもあることに着想を得てこの絵を描きました。
江戸時代にはこの場所もお堀で囲まれた内側にあったことが由来して「丸の内」になったそうです。
徳川家康が江戸に来て町を整備していく中でこの堀は江戸城を守るための役割だけでなく、水上輸送にも利用されて人々の生活と密接に繋がりを持っていました。
水が流れれば橋がかかる、人間の生活が生まれる。そのような歴史の上に現在の新東京ビルが建ってたくさんの人間と関わり合いを持ちながらオフィスとして機能していることに着目しました。
ー作品をどのように眺め、どのように楽しめば良いでしょうか
私は自分で書いた詩や散文を元に、文章の中に立ち現れる情景や日本語のテキストそのものをモチーフにした絵を描いています。
最初の質問で述べたような、その土地ならではの歴史や文化的な背景をリサーチして、それを自分なりに言葉にまとめて、それから絵を描きます。自分で見たり聞いたり、調べたりした事柄を言語化しようとする際に全部を的確な言葉で表現することはやはり難しいです。私という人間が持っている五感や感受性など、感覚的な要素と向き合うことが必須になります。
そういった言葉として察知できるものとできないものの両方を絵の中で表現しています。
私たち人間は物事に名前がついているから認知することができます。その一方で名前のないものは日常の中にたくさん存在しています。私の絵を見たことがそういったものに目を向けてみるきっかけになれば幸いに思います。
ーすこしアートに興味が出てきたけれど、どこで作品を見たり買ったりすれば良いかわからない…そんな方におすすめのアートの楽しみ方やアドバイスがあれば教えてください!
絵のみならずアートに触れることができる場所は美術館やギャラリー、デパートの展示場など様々にありますが、まずはご自身の住まれている地域の美術館や近所のギャラリーなど訪れてみてください。作家の名前も知らないし作品についてもよく分からないということが多々起きると思いますが全然大丈夫です。
そのあとのことで私がおすすめしたいのは、その展示の概要をまとめたステートメントや作品説明のキャプションがあったらぜひ目を通してみてください。そして、そこに書かれている人物などの固有名詞や美術用語でなんだこれ?と思ったものをメモしてネットで検索してみてください。
そしたらその用語の説明とともに、他の作家の作品や、他の展覧会の情報が出てくると思います。そしたらその中から気になるものを見つけてまた見に行ってみる、これを繰り返すとなんとなくご自身の好きな系統の作家やお気に入りのアートスポットと出会うことができると思います。そしたらより一層アートを楽しむことができますよ。