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女の子の特権


「女子は化粧しないと出かけられないの可哀想だよね。」
と男友達に言われたのを思い出した。


女子にとってメイクは、高校生までは意識が高い子達の嗜み、大学生からは暗黙の了解、社会人になるとマナーという名の義務。

もちろん、人の数だけ様々な感じ方があるだろう。

それでも 「可哀想」 と言われたとき、それは違うと思った。


たしかに面倒に感じる日もある。
寝坊して慌てて手を抜きで終わらせてしまう日もある。

でも嫌々やっているのかというと、それは違う気がする。


月野うさぎは 「メイクアップ!」 と言いながらセーラームーンに変身し、悪との戦いに挑む。

私はいくら 「メイクアップ!」 叫んだところで物理的には強くなれないけど、メイクで心を強くすることはできる。

色、香り、形。
些細なものから、すぐ目に入るものまで。
自分でこだわり、選んだものを身に纏う楽しさ。

有名ブランドやデパコスだったり、ちょっといいコスメを使ったときは自然と気合いが入る。

アイラインを上手く引けた朝、新しいリップにした日、好みの香りの香水を見つけたとき。
そんな小さなことでも気分が上がるし、一日がキラキラする。

これが私のとっての 「変身」 だ。


だから、たまに面倒に感じることはあっても、決して義務感からやっていることではないし、まして可哀想だなんて思われたくない。

メイクを通して自分の心を変えられるのは、むしろ女の子の 「特権」 だ。


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