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#短編小説

つながれ。

つながれ。

ふと青空を見上げると、白い雲を照らす太陽光の幻想的な美しさに息を飲むことがある。
そんなとき、この世界は作り物なのではないかと思ってしまう。
今自分が立っているのは小さな箱庭の中で、神のような存在が日々空を塗り替えている、そんな気がしてくるのだ。

雲の隙間から太陽の光が筋となって差してくる、その幻想的な光景を、人は「天使の梯子」と呼ぶ。

学術的には「薄明光線」と呼ばれる現象らしいけど、「天使の

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明日も、明後日も、ずっと、

明日も、明後日も、ずっと、

「電話ボックスはロマンスを運ぶの。」

微笑みながらそう言う祖母の姿が脳裏をよぎる。

幼い頃の私は、おじいちゃんっ子だったらしい。
祖父は、私が幼稚園に入園する前に他界したため、覚えていることはもう少ないが、記憶の中で頭を撫でてくれた大きな手は祖父のものだったのだろう。
朧げな記憶の中の祖父に少しでも近づきたくて、学生時代の私は、祖母に祖父のプロポーズを言葉を尋ねたことがあった。
結局祖母は最期

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ノスタルジー

ノスタルジー

電車で2駅、そこから15分ほどバスに揺られ、さらに歩くこと10分。
某古本街の大通りから少し外れた小さな通りにひっそりと佇む古びたビル。人気は無く一見ただの廃ビルにしか見えないその建物の前を、都会の時間に追われる人々は足早に通り過ぎていく。
そこが私の目的地だった。

長年の汚れのせいでくすんでしまったガラスドアをそっと押し開け中に入ると、備え付けの小さなエレベーターに乗り込む。3階行きのボタンを

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