シガールの焼き色インスパイア?! ヨックモックの新ユニフォーム発表
10月1日にヨックモックのコーディネイター(販売員)のユニフォームがリニューアルしました!各店頭で、ご覧いただいた方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、そのリニューアルを手がけたチームの座談会をお届けします。新しいユニフォームに込められた思いや、随所に散りばめられた細かな工夫とは?
55周年を迎えての新たな挑戦
― プロジェクトはいつ頃スタートしたんですか?
井上:プロジェクトが本格的に動き始めたのは、ちょうど1年前です。
橋本:前々から店舗ではユニフォームの素材や着用感に対して不満の声があがっていまして。昨年ついに動き出した!というところです。
― 以前のユニフォームも素敵でしたが、どんな点に不満があったんですか?
橋本:伸縮性がなくて動きにくかったり、熱がこもりやすかったり、サイズがタイトで体型を拾ってしまうなどの声がありました。また、エプロンにペンやハサミなどのツールを入れすぎると、重さでズリ落ちてしまうという声もありました。
― チームは、営業部のお二方とブランディング部のお二方、少し珍しい組み合わせですね。
鈴木:そうなんです。リニューアルには、2つの目的がありました。1つ目は、コーディネイターの不満を解消してモチベーションを上げること。そして2つ目は、ブランドイメージに合ったデザインにすること。そのため、現場のコーディネイターとの接点が多い営業部と、ブランディング部の私たちが協力して進めることになったんです。
― ユニフォームのリニューアルは、どのようなプロセスから始まったんですか?
佐藤:ユニフォームを作るのは私たちにとって初めての仕事だったので、まずは情報収集から始めました。これまでの歴代ユニフォームがどのように作られてきたか、当時のことを知っている社員にヒアリングをしたんです。
鈴木:これは、1991年にリブランディングした際にできたユニフォームです。青山本店とその他の店舗でデザインが異なっていました。
井上:さらに、春夏と秋冬でも異なる素材と色合いを採用してたんですよ。2009年頃から順次、商品の展開に合わせて新ユニフォームに移行したそうです。
ー どちらも10年以上愛されたユニフォームだと思うと、感慨深いですね。
歴代ユニフォームのエレガントさをアップデート
佐藤:そのように過去の歴史やデザインを知るうちに、ユニフォームの制作には「オーダーメイド」と既製品をアレンジする「レディメイド」の2つの手法があることを知りました。91年モデルはオーダーメイド、09年モデルはレディメイドだったんです。
― 今回はどちらで制作されたんですか?
佐藤:今回はオーダーメイドで作りました。もちろん、費用はかかりますが、ブランドイメージを一新するために、より洗練されたエレガントな印象の自由なデザインが必要だったんですよ。
鈴木:完成したものを見ると、フリルや刺繍など、歴代のユニフォームが持つエレガントさをさりげなく感じ取っていただけると思います。
橋本:また、コーディネイターの方々にアンケートも実施しました。改善すべきポイントに優先順位をつけ、特に不満が多かった部分をデザイナーに伝えながら、ラフデザインを作り上げました。こちらがそのラフです。
― 初期段階で、かなり完成品のイメージに近い・・・!
橋本:ここから私たちのチームで、2種類のデザインに絞り込みました。
井上:実際に売り場を見たりしながら、他のブランドにはないポイントを意識しました。ショーケース越しにお客様に見えるのは胸元より上が多いので、前面に色があったほうがいいんじゃないか?など、さまざまな角度から検討しました。
橋本:最終的には、各店の代表として店長に集まってもらい、2つのサンプルに実際に触れていただいて投票で決定しました。
新ユニフォームのこだわり
― ベージュの差し色が斬新ですね。
井上:よくぞ気づいてくださいました(笑)。これは、ヨックモックの焼き菓子をイメージしたカラーなんです。
鈴木:よく見ると、前面と背面のフリルで少し違うベージュを使っているんですよ。
―本当だ!
鈴木:シガールは焼き色が均一ではなく、グラデーションがありますよね。そこからインスパイアを受けました。
佐藤:今回はトップスをパンツインしないアウトスタイルにしました。ふんわりしたシルエットで体型をカバーしてくれるんです。
橋本:コーディネイターからも「体型を拾いにくくて着やすい」と好評でした。体とユニフォームの間に空間ができるので涼しくて、生地も速乾性があるものを使ったので、夜洗って朝には乾き、アイロンも不要です。これで勤務時間外の負担も軽減されたんですよ。
― 男性用もあるんですよね。
橋本:男性用は、背面のフリルをなくして、すっきりとしたデザインにしました。男女ともに、少しゆったりとしたモダンな仕様で、ストレスなく着られるようにしています。
佐藤:女性用を基調に、男性用もトーンを合わせることで、ブランドイメージの調和が取れたと思います。
オリジナルポーチのこだわり
― そういえば、エプロンはなくなったんですか?
橋本:はい、エプロンはなくして、今回オリジナルのポーチを作ったんです!
― わぁ、すごく素敵ですね!
橋本:ありがとうございます。現場でどんなアイテムが使われているかリサーチして、必要最低限のツールが入るように工夫しました。実際に試作品を使って、一日現場で働いてみたんですよ(笑)。その時に見つかった問題点もフィードバックして、改良しました。
佐藤:すごく使いやすいですよね。素材も検討した結果、ポリエステルは軽いけれど、素材感がヨックモックのブランドイメージに合わないと感じました。そこで、洗練されたレザー調の素材にしました。
― 比べると、印象が全然違いますね!
佐藤:そうなんです。品格がありますよね。
鈴木:ヨックモックのブランドカラーであるブルーに近く、ユニフォームにも合うカラーを選びました。カラーサンプルを見ても、最終的な仕上がりを想像するのが難しくて、すごく苦労しました。
井上:裏面には、メモ類が体に触れる部分で汗に濡れないようにビニールポケットもつけました。
鈴木:ハサミが落ちないギリギリのサイズに調整したり、ミリ単位で細かく設計しましたよね。
品出し2倍速も夢じゃない?!
― ユニフォームに対する不満もかなり改善されたのでは?
橋本:着用開始の2ヶ月前に、全コーディネイターに向けて、1日このユニフォームを着て過ごす研修を行いました。画像を見ただけだと「パンツが細くて動きにくそう」という意見もありましたが、実際に着ていただくと、軽くて動きやすいという声に変わりました。
井上:「パンツが伸縮性があって動きやすい!」という声や「手が上げやすくて品出しが2倍速でできる!」なんて声もありました(笑)。
全員:(笑)。
橋本:実際に着てもらい、納得していただけたのが嬉しかったですね。
佐藤:透けにくい生地感で、機能性も高いんですが、見た目だけでは伸縮性や通気性が伝わりにくいんです。
― 採用面でも良い影響がありそうですね。
井上:「あのユニフォームを着て働きたい!」と思ってもらえるのが理想ですね。今回のリニューアルで応募いただける方が増えたら嬉しいです。
橋本:コーディネイター職やアルバイトを希望する方々にも「着てみたい!」と思ってもらえたらいいですよね。
― 最後に今回のプロジェクトの感想を教えてください。
全員:すごく楽しかったです!
鈴木:ヨックモックの歴史に残るプロジェクトに挑戦できて、とても良い経験になりました。自分たちでデザインや生地を選び、話し合ったことが少しずつ形になっていくことが嬉しかったです。
佐藤:デザインって受け取られ方が人それぞれで、最初は選ぶことに不安がありました。でも、出来上がってみると多くの人に受け入れられるデザインになったと思います。達成感のあるプロジェクトでしたね。
井上:最初は規模を考えると戸惑いもありましたが、皆であれこれ言いながらここまで辿り着いた過程を振り返ると、楽しいことが多いお仕事でした!このプロジェクトに携わらせていただきありがとうございましたの気持ちでいっぱいです。
橋本:ほぼゼロから約1年かけて形にしていくのは、初めての経験でした。完成した時は感動しましたね。ようやくお披露目できて、ひと段落です。今は皆さんの反応がすごく楽しみです。
新しいユニフォームのお話、いかがでしたか?きっと長く愛されるユニフォームになるはず!新しいユニフォームはヨックモック青山本店をはじめ一部店舗で展開しています。ぜひ店頭で実物をご覧ください!
(おわり)