夏空の下 旧404号車×νガンダム立像
もし選ばれたら「404美術館」に展示される。そう聞いたら、もうこれを載せるしかない。
大ヒット上映中映画『ラストマイル』のキャハラバンで、福岡に今年の夏、4年ぶりに旧404号車、愛称まるごとメロンパン号が帰ってきた。ドラマ『MIU404』で、主人公の第4機捜巡査部長伊吹藍と志摩一未の二人が乗っていた愛車だ。4年ぶりの邂逅は感慨深かった。他にも激写したけど、やっぱりこれが映えるかなと。ちなみに、左のガンダム立像、動く。この目で見た。
この写真を撮ったとき、ほんわかした出来事があった。妹と二人で行って、一通り撮り終えたところで、交代にメロンパン号とのツーショットを撮り合っていた。
「よろしければ、お二人で撮りましょうか?」
「いいんですか?」
お子さんお二人を連れたお母さんが、写真撮影を買ってでてくださったのだ。MIU404ファンの優しさに目頭が熱くなった。
撮っていただき確認後、当然こちらも撮りましょうかという流れになる。ぜひ、となり、親子三人がメロンパン号の隣に並んだ。左から、お母さん、幼稚園・保育園か小学校低学年くらいの弟くん、小学校中学年くらいのお姉ちゃんの順番だ。後ろで妹が見守るなか、写真を撮影した。
さて、この三人のうち、真ん中の弟くんが、なかなか目を開けられなかった。何度撮っても目をつぶってしまう。仕方ない、ちょうど日光が燦々と降り注ぎ、眩しいのだ。とはいえ、お母さんにご確認いただくも、「すみません、申し訳ないんですが、もう一度お願いできますか?」となる。ハラハラする展開になってきた。頼む、目を開けてくれ。祈るような気持ちで掛け声を掛け、セルフ連写した。結果、なんとかお母さんが納得いく写真が撮れ、お別れした。
大変緊張した。このまま三人が目を開けた写真が撮れなかったらどうしよう。いや、きっと大丈夫な瞬間は来る。願いは叶った。本当によかった。このときのお姉ちゃんがえらくて、暑いなかずっとにこにこベストスマイルを湛え続けてくれたのだ。女神のお母さんに、天使のお姉ちゃん、愛嬌のある弟くん。勝手に例えるなら、桔梗さん、ハムちゃん、ゆたかくんみたいだと、勝手にあの旧機捜隊長、現武蔵野署署長一家の夏の休日を想像した。
後ろ姿を眺めながら、滴る汗を拭い、真夏の太陽でギラギラと光る旧404号車と、すっかり日に焼けてメロンパン色になった助手席のポリまるくんの前に、妹としばし佇むのだった。