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今ある今をこころから
父親が突然亡くなりました。
わたしが大学4回生のころ。
高校時代のお弁当は、父親が作ってくれていて、優しい父親だった。あの当時には、相当めずらしい家事育児もできる父親。イケメンなんてなかったころ。
突然のことに、当然ながら、母親をはじめ、家族全員が動揺していた。
そのとき、わたしは国家1種(今でいう国家公務員総合職)の筆記試験で合格したあとで、官庁訪問(希望の省庁との面接)を控えていた。そんな状況で東京に行けるわけもなく、官庁訪問を辞退したことを鮮明に覚えている。
父親のお通夜や葬儀のときに思ったのは、人の死後の行事は、
亡くなった本人のためではなく、残された家族や周りの人のために行われるものだということ。
いま、ここにはもういない故人しのび、明日からの生活に備え、心を整える時間。お通夜、お葬式、初七日をへて、四十九日にいたる過程。これこそ、残されたものが、日常にもどるための大事な要素なんだと。
今ある今をこころから
今ある今をこころから、丁寧に過ごしたい。
ここにある「今」なんて、次の瞬間には「ない」こともある。だから、今、ここにある今を、こころから大切にしよう、生きよう。父親の突然の死は、私に気づかせてくれた。
今ある今を
こころから
いつからか、とても大事にするようになった言葉。呪文のように繰り返した言葉。忙しくなると、ふっと、呼び戻される言葉。
自分の父親と果たせなかった、親子で晩酌。いつか、わたしが子どもたちと実現したい。
今日も、今ある今をこころから。