「母になっていくことへの新しい考え方|アレクサンドラ・サックス」TED Talk
「アレクサンドラ・サックス: 母になっていくことへの新しい考え方 | TED Talk」を観ました。
母親になる/なった人たちへ、ぜひ見て欲しい動画です(英語ですが日本語字幕とテキスト付き)。
そして、読書会ならぬ動画感想シェア会をしたい〜!
アレクサンドラ・サックス: 母になっていくことへの新しい考え方 | TED Talk
「私は育児が苦手で楽しめません。産後うつなのでしょうか?」
出産したばかりの母の悩みに共感と安心を与えてくれる動画です。
マトレセンス matrescence(母への移行期)
マトレセンス matrescence(母への移行期)は、1973年に人類学者のダナ・ラファエルが作った造語のようです。思春期の英語アドレセンス adolescenceと響きが似ています。
実は、思春期と妊娠・出産の過程は心身の変化、自身や周囲の期待も似ています。
ホルモンバランスが乱れて、気分屋になり、肌に吹き出物ができて、身体のパーツが変に大きくなったり急速に成長したり。
自身や周りは、新しい身体に見合う大人や親になったと期待します。
その期待に対する不安やうまくいかない‥と思う気持ちから起こる情緒不安定さについては、思春期だとよく知られていて、母への移行期では出産を経た女性自身さえも知らないという違いがあるだけなのかもしれません。
『マトレセンス(母への移行期)』という枠組みをぜひ覚えていたいです!
母に起こる感情のつなひき
「自分の子は絶対にかわいいと思えて、待ちに待った育児は楽しいはず‥だったのに‥」
感情のつなひき「押しと引き」は、産後うつではないのに、子育てに苦手意識を持つ母に共感と安心をもたらす考え方です。(そうであって欲しい‥!)
具体的にはこんな感じ!
「引き」:人間のお母さんの脳は、赤ちゃんが生まれるときやスキンシップで分泌されるオキシトシンによって、赤ちゃんが世界の中心になるという1つのことに注意を引きます。
「押し」:人間のお母さんの心は、他の人との関係、仕事、趣味、精神的生活、知的生活もちろん身体的な欲求(睡眠、食事、運動、セックスなど)といったこれまでの経験や心地よさに押しのけられています。
動画では、1人だけでトイレに行くことも!と笑い話になってましたが、乳幼児がいるとこれがなかなか難しいことを母になるまで知らなかった‥!
私自身、母になって3年くらいはこの葛藤から悩みに悩んでいた気がするし、子どもたちや自分の節目や変化のときは今でもぐるぐる同じことを考えてしまう気がします。
では、どうするといいのか?
対話による治療の効果
「同じ職場にママがいない‥そもそも女性は私だけ‥」
「夫の帰宅は22時過ぎ、子どもと一緒に寝落ちしちゃってしばらく話していない‥」
専門家でもいい、近所の児童館でもいい、今の自分の母への移行の捉え方を変えたいと思うなら、女性同士でお互いに話し合う必要があります。
母となった自分の葛藤について、他のお母さん達、友人達と話す機会を持ちましょう。
もしパートナーがいるなら、自分の葛藤とそれは他のお母さん達にも起こることなんだと伝えましょう。(私の夫もこういう論理的なことを伝えると妙に納得する。)
「自分の悩みを人に相談してもしょうがない‥」
「相手の時間を奪っているようで申し訳ない‥」
そう思うかもしれません。
でも、対話で得られるものは、自分の情緒を安定させるだけではありません。
自分や家族に、職場で必要な人間関係を守り、母になった自身の心の奥にある本当の気持ちを大切にできるようになり、子どもたちのそれぞれの個性を育むための余裕を持てるでしょう。
私自身、女性男性など性別なんて関係ない、男性の多い大学/大学院、職場で過ごしてきて、全く問題なかった!と考えていました。
もっと早く女性同士で話す機会が持つようにしていたらよかったなぁと今では思います。
赤ちゃんが生まれると同時に母も生まれる
赤ちゃんも母もお互いそれぞれの理由で心身ともに不安定な状態です。
思春期と同様に母への移行期は、大きな変化と喜び、幸福感をもたらしますが、同時に辛い時期でもあります。
でも、それを避けられたからすごい、乗り越えられたから素晴らしいのではなく、そのままに葛藤があると知り、周りに助けを求めることが人間らしくていいんじゃないでしょうか。
母としてのあるべき姿に悩む方の気持ちが少しでも軽くなれば嬉しいです!
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