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おなかがすく話

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#カルチャー

しろいろの街の、その骨の体温の

しろいろの街の、その骨の体温の

「しろいろの街の、その骨の体温の」村田沙耶香

無償に泣きたくなった。

覚えてもないような思い出が

走馬灯のように身体を掻き毟る

痒い 怖い 寂しい

あの頃は全然楽しくなかった

すごく美しい恋愛映画を観て泣いた

魔法使いになるための努力だってした

本と映画とカラフルな絵に救われてた

本を抱えて帰ることが誇りで、

大人に褒められることで頭の悪い子たちを蔑んでいた

小さな三角形の中

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普遍的なこと

普遍的なこと



非常に普遍的なものが世の中には存在していて、誰かが誰かを気にしている、という人間同士の循環は、それはそれはロマンチックな世界をうむ。大きな道路に何台もの車が通って、決して鳥の声など聞こえなくて、そんな飽きれるほど冷たい世界でも、それでも人同士が生きる世界の中では、今日も誰かが誰かを気にしている。

普遍的な食べものが好きだ。それはあたたかく、いつ食べてもいつ行っても、ある、という絶対的なもの。

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