王令 「哭詩六章 第二章 」
朝哭聲吁吁 あさからずっと
おおごえでなき
暮哭聲轉無 くれにはこえも
かれてなくなる
聲無血隨盡 ちいろにそまる
なみだもとだえ
安得目不枯 めもひからびて
つぶれちまった
目枯不足嘆 めがみえずとも
なげかんでよい
無目心自安 みえぬがゆえに
こころやすまる
目存多所見 めのあるかぎり
みるものおおく
不若無目完 めなどみえない
ほうがよいのだ
「哭詩六章 第二章」
*「哭詩」は死者を悼み、哭き嘆く詩。「〜などないほうがよいのだ」という思考法は韓愈や白居易の詩にしばしば見られた。王安石の「思王逢原」はこの夭折の詩人・王令を偲んだ詩。