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陸游 「臨安春雨初霽」

世味年來薄似紗  せけんのことに

         かんしんがなく

誰令騎馬客京華  みやこによばれ

         めいわくしてる

小樓一夜聽春雨  へやでひとばん

         あまおとをきき

深巷明朝賣杏花  あさにはうらで

         うりごえひびく

矮紙斜行閑作草  みじかいかみに

         きばらしのもじ

晴窗細乳戲分茶  まどべにすわり

          なぐさみのおちゃ

素衣莫起風塵歎  みやこのちりで

         けがれるまえに

猶及清明可到家  さっさとくにへ

         かえるとしよう


「臨安に春雨 初めて霽る」

*「世味年來薄似紗」と言ってはいるが、彼は愛国心が人一倍強い人だった。つまりは情の裏返しゆえの文句である。うまく世の中で活躍できないという反動が詩作に発揮されるのは、彼に限らず多くの詩人にも当てはまる。

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