![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/36728868/rectangle_large_type_2_5f02f7066df4f93fd6233d8dff6847c4.jpg?width=1200)
文同 「月歩」
掩巻下中庭 ほんをかたづけ
なかにわにでる
月色浩如水 つきのあかりは
みずのひろがり
秋気涼満襟 あきのけはいが
むねにしみこみ
松陰密鋪地 まつのはかげが
みつにちりしく
百蟲催夜去 むしはそろって
よるをうながし
一雁領寒起 かりはひとりで
さむぞらにとぶ
静念忘世粉 こころしずかに
うきよをわすれ
誰同此佳味 わかちあいたい
このおもむきを
「月に歩す」
*「月色」「秋気」「松陰」「百蟲」「一雁」と徐々にムードを盛り上げてゆく。冒頭の第一句もいい。十八歳年上の蘇軾の従兄弟で、蘇軾の私淑するところであった。書画にも長け、号は笑笑先生。