蘇軾 「罷徐州往南京馬上走筆寄子由」
吏民莫扳援 どうかわたしを
いかせておくれ
歌管莫凄咽 わかれのうたは
もうやめとくれ
吾生如寄耳 わがじんせいは
かりそめのもの
寧独為此別 このたびだけが
わかれではない
別離随処有 これからさきも
なんどもあろう
悲悩縁愛結 あいのきずなは
かなしみのもと
而我本無恩 わたしはなんの
なさけもかけず
此涕誰為設 なのにどうして
ないてくれるか
紛紛等児戯 こどもみたいな
まねはなさんな
鞭鐙遭割截 むちやあずみを
きりさくなんて
道辺双石人 このみちにたつ
せきぞうたちは
幾見太守発 ひとのわかれに
なんどたちあう
有知当解笑 めがみえたなら
わらうだろうな
撫掌冠纓絶 てをうちあごも
はずれるほどに
「徐州を罷めて南京に往かんとし」
*徐州を去ることになり、その地の人々に別れを惜しまれたようすを詠み、弟に寄せている。湿っぽい別れがお嫌いなようで、そんな性格もあって、皆に親しまれたのだろう。
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