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蘇軾 「小兒」
小兒不識愁 うちのむすこは
うれいをしらず
起坐牽我衣 たとうとすると
ふくをひっぱる
我欲嗔小兒 これにおこって
しかるつもりが
老妻勸兒痴 つまはむすこに
もっとおやりと
兒痴君更甚 あんたのほうが
よっぽどおばか
不樂愁何為 たのしみもなく
いつもふきげん
還坐愧此言 かえすことばも
みつからぬまま
洗盞當我前 つまはさかずき
めのまえにおく
大勝劉伶婦 あのリュウレイの
つまにもまさる
區區為酒錢 わがつまながら
みあげたものだ
「小児」
*「劉伶婦」とは竹林七賢の一人、劉伶の妻のことで、大酒飲みの夫を諫めたことで知られるが、自分を諌めながら酒は出してくれる我が「老妻」は、よくできた妻だと褒めているのだ。「小児」と題しながら、妻のことを詠んだ詩である。