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曾幾  「蘇秀道中 自七月二十五日夜大雨三日 秋苗以蘇 喜而有作」

一夕驕陽転作霖  なつのひでりが

         ながあめとなり

夢回涼冷潤衣襟  めざめのよぎが

         つめたくしめる

不愁屋漏床床湿  あまもりがして

         とこがぬれても

且喜渓流岸岸深  みずかさのます

         さまがうれしい

千里稲花応秀色  せんりもつづく

         いなほのけしき

五更桐葉最佳音  きりのはおとも

         みみよくひびく

無田似我猶欣舞  たんぼのもたぬ

         われもこおどり

何況田間望歳心  のうかのひとは

         さぞうれしかろ


「蘇秀道中、自七月二十五日の夜より大いに雨ふること三日、秋苗以って蘇る、喜びて作る有り」

*この時代、日照りが続けば不安でしかたなかっただろう。それゆえ、「霖」(恵みの雨)がどれほど嬉しいことであったかは推して知るべしです。

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