梅尭臣 「南隣簫寺丞夜訪別」
憶昨偶相親 ふとしたことで
きみとであった
相親如舊友 であったひから
きのおけぬなか
雖言我巷殊 わがやはろじが
べつだけれども
正住君家後 きみのいえとは
せなかあわせだ
壁裏射燈光 かべのすみから
ともしびがもれ
籬根分井口 かきねのいどは
ともにわけあう
來邀食有魚 きみのいえでは
ごちそうがでて
屢過貧無酒 こちらといえば
さけさえだせぬ
明日定徂征 そのうちきみは
たびだちむかえ
聊茲酌升斗 いまはなむけの
さけくみかわす
宵長莫惜醉 よるはながいよ
ぜひともよおう
路遠空回首 さきのことなど
きにしなさんな
「南隣の簫寺丞 夜訪別す」
*普段は酒など出せぬほど貧しい暮らしの中で、仲の良かった友人のために何とか餞別の酒を準備したわけだ。隣近所にこんな友人がいたなんて羨ましい、と思ってしまった。
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