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梅尭臣 「蚯蚓」
蚯蚓在泥穴 みみずはどろの
あなにかくれて
出縮常似盈 でたとおもえば
またみをかくす
龍蟠亦以蟠 りゅうにならって
とぐろをまいて
龍鳴亦以鳴 りゅうにならって
じいじいとなく
自謂与龍比 かたをはりあう
つもりでいても
恨不頭角生 きみのあたまに
つのなどみえぬ
螻蟈似相助 おけらもきみの
こえにあわせて
草根無停声 くさのねもとで
のべつまくなし
聒乱我不寐 きみらのせいで
ねむりにつけず
毎夕但欲明 いつもよあけを
まちわびるひび
天地且容畜 ひろいこころを
もちたいものだ
憎悪唯人情 はらのむしこそ
ひとのわがまま
「蚯蚓」(みみず)
*「てのひらを太陽に」という歌の一節を思い出す。「みみず鳴く」は俳句の季語にもなっている。でも、本当はおけらの声だそうだ。「龍」は皇帝を暗に示しているらしいが、この龍に倣って塒(とぐろ)を巻いたり、鳴いたりするというのは何だか幼気(いたいけ)でかわいい。