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桑原茂夫さんとお喋り4~田村隆一、澁澤龍彦

 桑原さんの個人誌『月あかり』の人気シリーズの一つに、「ぼくが出会った端倪すべからざるひとたち」があります。

 一番最近の「端倪すべからざるひと」では、文化人類学者であり言語学者の西江雅之さんを、4回にわたり取り上げています(2020年8月発行の第6巻 第8号、2021年3月発行の第7巻 第1号、2021年7月発行の第7巻 第3号、2021年9月発行の第7巻 第4号、)。西江さんがまだご存命の2012年に行われたロングインタビューをまとめたもので、西江さんがアフリカやニューギニアで体験したことをベースとして、あらためて現在の日本や世界のあり方を考える内容となっています。

 世の中の急速な変化により、あの衣装を着たマサイ族の人たちが、私たちの想像とは全く違うマサイ族になっている話、そこから見えてくる人間のワンパターン化、昆虫がえり、それが人間の破滅につながる理由などなど。私たちとはあまりにも異なるアフリカ、ニューギニアの人々の文化や死生観に驚かされるとともに、グローバル化の問題点を理解する大きな手助けとなる内容でした。

 この人気コーナーで過去に、澁澤龍彦さん、田村隆一さんを取り上げたことがありましたので(澁澤龍彦さん:2017年9月発行の第5巻 第5号、田村隆一さん:2018年5月発行の第5巻 第8号)、来る8月6日のトークショー「幻想文学の火付け役 思潮社の青春期を語る(聞き手:藤井一乃 『現代詩手帖』前編集長)」のネタバレにならない程度に、見出しをご紹介します。

【ぼくが出会った端倪すべからざるひとたち】
澁澤龍彦さんの巻

・豪放磊落、親分肌の澁澤さん
・泉鏡花選集を編集しかけた澁澤さん
・澁澤龍彦さんが推奨した映画

桑原茂夫個人誌『月あかり』第5巻 第5号

【ぼくが出会った端倪すべからざるひとたち】
田村隆一さんの巻

・田村さんの声が消えてしまった
・編集者がこれでいいのかと自問しつつも
・「都市」と『家畜人ヤプー』と田村隆一さんと

桑原茂夫個人誌『月あかり』第5巻 第8号

 「澁澤龍彦さんの巻」では、本邦初公開!として、澁澤龍彦さんのナマ原稿を公開。…こういう筆跡って、とても興味深いですね(これを見てハッとしたのですが、桑原さんの筆跡は、澁澤龍彦さんとかなり雰囲気が近いのです)。田村隆一さんに関しては、第5巻 第7号にて、「帰途」(言葉なんかおぼえるんじゃなかつた、で始まる詩です)に関しての考察も取り上げています。

 その他の号では、「端倪すべからざるひと」のコーナーにではありませんが、麿赤児さん、四谷シモンさん、高畑勲さん、井上洋介さん、合田佐和子さんなどとの交流もちょくちょく登場し、まさに豪華絢爛。反骨精神を貫いてきたすごい人たちとお付き合いしてこられた桑原さんならではの視点で、それらを統合して嚙み砕いて、見逃してはならない社会の一面を見せてくださいます。

 この、世の中のおかしさを看破し、それを良い方へ変えていこうという気概に満ち溢れた『月あかり』を、当店「よこやま書店」で取り扱わせていただけませんか?とお願いしたら、「もちろんいいよ。卸値で売るから」とご快諾いただきましたので、入荷を楽しみにお待ちください。

★『月あかり』桑原茂夫さんから直接ご購入の方はこちら。
https://kamarusya.wixsite.com/kamaru/blank

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