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『聖書』に見る初期キリスト教の信仰

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2021年12月の記事一覧

初期キリスト教信仰について⑭

初期キリスト教信仰について⑭

アキラ、プリスキラとの出会い 使徒言行録18章では、パウロがコリントに来た時に、パウロよりも早く、既にローマでキリスト教信仰を伝えていたアキラ、プリスキラ夫妻と、コリントで出会い、意気投合します。
 ポントスとはトルコ北東部の黒海に面する地方で、こうした地域の人がローマに仕事で移り住むというような交流が当時すでに存在していたことを示しています。
 

 当然、このアキラとプリスキラは「ギリシャ語を

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初期キリスト教信仰について⑬

初期キリスト教信仰について⑬

パウロの同伴者とは何者なのか? パウロはその宣教旅行において何人かの人物と共に移動しています。たとえば、使徒言行録13~14章における、いわゆる「第一回 宣教旅行」においては「バルナバ」が同伴者でありました。
 このバルナバは、キプロス島出身のギリシャ語を話す離散のユダヤ人であり、初代エルサレム教会の使徒たちによって承認され、アンティオキア教会の指導者として、エルサレム教会の人たちによって派遣され

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初期キリスト教信仰について⑫

初期キリスト教信仰について⑫

バルナバとの確執後、エルサレム教会のシラスに頼った宣教活動 使徒言行録15章において、パウロはバルナバとの信仰的な違いが決定的になり、バルナバではない別の人物、「シラス」と共にシリア州・キリキア州を回ったとあります。この「シラス」は前回触れたように、「①パウロの弟子であるシラス」である可能性と、「②エルサレム教会で指導的な立場にあるシラス」と二通りの可能性があり、比較的新しい写本では②の人物である

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