未来のために
いま何を伝えたいか
経験則からの話…を教えてほしいですか?
自分のようになってほしくない、とか
そんな話はちょっと気持ち悪くないですか
そう、私たちは自分で体験してはじめて「考える」ことを覚える
たとえ話など不要、なんだ
そうでなければ、自分で考えて行動に移さなければ
大げさだけど
「生まれてきた意味がない」
…とはいえ、たとえ話
episode1
ある雨上がりの日
よちよちと歩き始めた子が水たまりで転んだ
全身ぐっしょり
「あっ」と思った親が駆け寄り手を取り立たせた
顔を拭き、歩き出そうと手をつないだ瞬間
その手を振り払い
水たまりのところへ戻り寝転んだ
「えっっ」親は目を見張る
ゆっくり立ち上がり
満面の笑顔で泥水で汚れた手を差し出した
…子どもながらに「手助け無用」と言いたかった
人に何かされて嫌な思いをしたとき
自分はこうはならないぞと決意する
もう「近づかない」などの選択もできる
やらかして
大失敗して
しばし落ち込む
けれど
次は「どうやったらよいか」思案し、挑戦する
episode2
ある日突然、学校へ行きたくないと思った
前から
一週間に一度くらい遅刻したり休んだりしていた
「なにか嫌なの?」
「べつに」
「具合悪いのか?」
「べつに」
べつに星人の誕生である
部活も楽しかったし、友人関係も悪くなかった
ただ、クラスは荒れていた
昨日まで仲良かった子を突然平気で無視し始める女子がいたり
同級生を使い走りにする男子がいる
どちらもされている側はにやにやと笑っている
現実を認めたくないのだろうが
笑う声はしないし目も笑っていない
言ってもやめない…
そんなのを見るのがいやだった
無力さを感じた、私は
世界の偉人やヒーローたちは
どうやって問題を解決していったのだろうかと考えた
episode3
ノーベル平和賞を受賞されたある女性は
日本を訪れたときに
「貴女の国に行ってそばでお手伝いがしたい」
という日本人女性の申し出に対し
「日本は豊かに見えますが、心の貧しい人がたくさんいます
いまここで困っている方の役に立つようにしてください」
と静かに答えられた
私たちは少しずつ大人になっていく
おとなになることを拒否したくなるときがある
ちょっと素直に意見を言えばつぶされる
親でさえ
「あなたのためを思って言うのよ」
冗談じゃない
そんな毎日が続けば必要になるのは
「勇気」「決別」
親の庇護を受けられないのは不安だから
気のおけない「仲間」も要る
そして言う
「俺たちはロボットじゃないんだ」
つきうさ