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仕事の仕方(組織の在り方)

会社という組織の中で仕事をしたのであれば、同様に感じられた方も多いと思われるけれど、その在り方について私見を述べさせて頂こうと思う。

組織の在り方にはいろいろな形態がある。社長を頂点にして本部長、部長、課長・・・というピラミッド型で運営される組織。リーダーは存在するが、肩書には囚われず自由に発言する事の出来るフラットな組織。こちらが正しく、あちらは間違っている、と言うようなものではないが、これまでの経験より、その組織が向かおうとしている方向によって、その有用性は全く変わってくると感じている。

例えば、今行うべき事が明確な場合。これは階層構造のしっかりした組織の方が何かと都合よく合理的に運営できるだろう。例えば日本が高度成長を誇った時期のエレクトロニクス業界などは良い例だと思う。この時代は高品質な品物をリーズナブルな価格で提供すると売れたのである。やる事は明確だったのだ。求められていた価値は保有する事に喜びを覚える品質の良いモノだったから。デジタルを含む家電製品、自動車など多くのモノ作り業界でも同様だったのではないだろうか。

ただ、良いモノを作れば売れるという時代が終わったその瞬間から、モノは売れなくなる。それは需要者が求める価値が変わって来たからである。そこで次は何をしたら良いのだろう?ということになる。このフェイズになると、従来のピラミッド型の組織は往々にして機能不全に陥るのである。トップはその下に新規事業を検討しろと指示を出し、その指示は段々と下に降りてくる。しかし、これまで上から降りてくる指示に従って、淡々と仕事を進めていた人に、いきなり何をすれば良いか考えろ!と言っても、それは幾つかの意味で無理なんです。一つは上意下達で仕事を行う事が血肉化している人に、いきなり何か考えろ!と言っても、それは結構難しい。二つ目として仮に新しいアイデアが出てきても、大抵はその上の階層の人達が、理解出来ずに途中でポシャってしまう。まあ、本部長や部長と言っても組織のピラミッドの中で上意下達の仕事をしてきたことは、末端の担当者と変わりが無いから。いや、本当に私がこれまで会った「新規事業開拓」と書かれた名刺を持っていた方は、結構な確率で皆同じような悩みを持っていた。

良い物は売れる」という事が常識ではなくなり、もうかなりの時間が経つのに日本の「会社」が変われないのは、なんかここで躓いているというのが私見。何が価値を持っているかということがガラッと変わってしまっていることは多分、皆気づいていると思うのだが、日本の場合慣性が強すぎて、なかなか方向を変える事が出来ないでいるように感じる。

そこで、じゃあフラットな組織にしようとしても、ピラミッド型の働き方が血肉化している人を集めても上手く行かないんですよね。これが有効に機能するのは、「なんか面白いことやらせろ!」「これは俺に任せろ!」というていうモチベーションを持った人間が集まった時だけのような気がする。ただ、このような組織と言うのは上手く機能しても規模が大きくなると今度は、収拾がつかなくなる。と、言うことでこれをピラミッド型に組織化するとこれまで活躍していた人たちも含めて急に不活性化してしまうのである。

私は、両方の形態の組織で仕事をした経験が有るので実体験としてこれらのことを感じている。これからの日本企業はどのようにして生き残って行けばよいのだろう。エレクトロニクス以外の業界を含めて、上手くいっている例が有れば是非話を聴いてみたいと思うこの頃である。

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