
【BUY or DIE!踏み出しすぎる人にも「株式原論」】
去年の大きな自分ニュースというと、20年近く封印してた株式投資を再開したこと。動機は、一昨年の怒涛の拘束スケジュールが緩和されたことと、夫の失業が契機であった。
なんだけど、わたくちの投資モチベーションの源流は「相場師」である。家業が倒産して多額の債務を抱えた生活を送っていた小中学校時代。わたくちの娯楽は図書館に日参することだった。そこで何気なく手にとった、往年の大相場師たちの伝記は、将来に希望を見出せず、鬱屈としていわたくちの幼心に光明を与え、激しく震わせた。
往年の先達が見せてくれた背中。
お金もない、学歴もない人生に、徒手空拳で挑むなら株を買え!
父は経営者であった。再建を悲願に奔走していた父は、電話が停められるというド貧困の中でも、日経新聞をとるのは辞めていなかった。かくしてわたくちは、目についた銘柄の罫線を引くのが日課となった。
高校生になってバイトができるようになり、貯めたお金で初めて株を買った時の嬉しさは忘れられない。銘柄はソニーだった。
と、ここまでは何となくいい話なんだけど、モチベの源流が「相場師」なので、安定路線を歩んでいると血が騒いできて、ヘンテコな銘柄買いたくなるのでありゅ。たとえば、潰れないと言われていた日本の銀行で、1番最初に潰れ、副頭取の射殺事件まで起きた「阪和銀行」(たくぎんが潰れたのは、そのあと)。仕手株の教科書があったら絶対出てくるイアイイインターナショナルとかとか。
証券会社に日参して、カウンターでQuickを叩きまくってた頃は、その行為自体がめっちゃ楽しくて、当時の投資家コミュニティのエピソードは、漫画の原作にもなった。
がっ、すべては夢まぼろし紙クズでありゅ。信用取引でドボンして、もうやめようと思ったのが約20年前のことであった。
そんなわけで、踏み出しすぎないよう、知人の敏腕PRプランナー・リッキーさんが手がけた「一歩踏み出せない人のための株式投資」をお正月に読んでいる。あっという間にAmazonでトップになった名著でオススメ。
その下にある「相場師列伝」は、ずっと断捨離しないで持っている。「売りのヤマダネ」と呼ばれた、「山種証券」創始者・山﨑種ニなど、相場で心を燃やした8名の男たちの物語。初版は1976年ですわよ、奥さま!