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バリ島でアーユルヴェーダ・パンチャカルマ1日目

ウブドの豊かな森のふもとにあるアーユルヴェーダ施設に前日到着し、10時間以上爆睡した朝。いよいよ始まるんだなと少し武者震いをする。

ドクターの診察前ではあるが、ギーと呼ばれるインドのバター油を飲むために6時半に食堂に向かう。事前にブログで私が受けるパンチャカルマ体験ブログを読んだが、ほぼみなさん本格的なデトックスの前にギーを数日間飲む処置を体験されていた。ドクターいわく体中の毒素をこのギーで緩やかに溶かし、後日のクレンジングデーで毒素を排出しやすい体のコンディションを作っていくために飲むのだそう。

目を通した体験談では、パンチャカルマの中でこのギーを飲むのが一番つらかったと読んだけれど、私は大丈夫だった。確かにぬるい油をショットグラスいっぱい一気に飲むのは心躍ることではないけれど、そこまで飲むときに不快を感じなかった。

ギーを飲み、参加が義務つけられているヨガクラスに向かう。ギーを飲んで体をゆるめて準備をしクレンジングが終わるまでは、リストラティブヨガと呼ばれる動きが少ないクラスに参加するように言われた。

素敵なヨガスタジオ

ヨガが終わりテラスで少し読書をしたあと、いよいよ初のアーユルヴェーダカウンセリングを受けた。

インドから来た先生はレミルさんと言って、温和な優しさがにじみ出ているようなシュッとした男性だった。体の状態や日々の習慣のことを細かく聞かれた。この問診はもちろん英語なので、私は想定される質問の答えを予め考え英訳したものを事前提出した。この回答表のおかげで、スムーズに私の状態や困っていることを伝えられたと思う。対話の他には舌の様子を観察され、脈診もされた。ひと通り問診が終わると、想定される私のドーシャタイプを先生が説明してくれた。ドーシャとはアーユルヴェーダ医療の根幹にあるコンセプトである。古代インド人は私たちの心身に起こる全ての現象は3つのエネルギーが関わり合って生まれると考えた。そして私たちは一人一人このヴァータ、ピッタ、カパの3つドーシャのバランスが違うと言われている。その生まれ持った固有のバランスが生活習慣やストレスなどで乱れたときに人は不調になる。このドーシャの概念は面白くそしてとても奥深いので興味がある人は是非自分で調べてほしい。

私の場合はヴァータタイプでこのヴァータが過剰に働きすぎて不調に陥っているとのことだった。ここから先生と治療プランに対して相談をしていく。その対話の中で印象に残ったのが先生が「この13日間のパンチャカルマを終えて、あなたはどんな状態になっていたい? 」と何度も目指すゴールのすり合わせをしたことだ。そのときにアーユルヴェーダは、一方的に治療を受けるのではなく、治療を受ける側にも覚悟というと大げさかもしれないが、変わろうとする意志が求められるんだなと感じた。伝統的なインド医療は優しい厳しさを含む。

私はとにかく活力を取り戻したかった。そして今後同じように明確な理由がなく寝込んでしまうことがないように、体質を変えたい解毒をしたいと伝えた。その私の要望と先生の診断結果でオーダーメイドのトリートメントスケジュールが組まれた。

診察と面談を終え、早速初日から解毒日が終わるまでスープお粥生活が始まった。ランチにインドの伝統的なお粥キッチャリーを食べ(初めて食べたけど、おいしかったなぁ)、午後は全身オイルマッサージとあの有名な額にオイルを垂らし続けるアレ「シロダーラ」を受けた。シロダーラを受けた人は、脳がリラックスされ瞑想状態になると言っていたが、初回受けた感想は、なんだか気持ち悪く、施術を受けている最中も早く終わんないかな〜だった。全身オイルまみれ。ただ体が緩んでくる感覚はわかった。

毎日同じ部屋で施術を受ける

夕食も食堂でベジスープを飲む。他にも沢山の参加者がいたが、まだ交流をする気にもなれず一人でひっそりと夕食をとった。夕食後は参加が義務付けられている瞑想のクラスに向かう。ダイナミックな大都市ジャカルタからバリ島ウブドの山の中に来て、環境が変わりすぎたのか、迷走中も雑念がとめどなく湧いた。瞑想が終わった後、本当に私は変われるのだろうかと何度も自分に問う。その道中で、寝落ち。

ポタージュスープ

さぁ、2日目。体と心に変化は訪れるのだろうか?

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南洋子
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