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帆をあげるーミッション・ビジョン・バリュー

自分たちらしくミッション、ビジョン、バリューを考える

NPOという同じ船に乗る仲間(クルー)とともに何を目指すのか。

背景が異なる人同士が仲間として同じ方向を向いて何かを目指すためには、目指す先、そのために自分たちが何をするのか、何かする・しないときの判断基準を共有しておきたいものです。やはり、企業だけでなくNPOもミッション、ビジョン、バリューを作っておきたい。

よく言われる定義と順番は、MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)。こんな感じではないでしょうか。
・ミッション:存在意義
・ビジョン:ありたい姿
・バリュー:行動指針

ただ、一応英語圏で生活し、ビジネス英語を使っていた身からすると、なんだかちょっとピンとこない。英語の意味合いからすると、こういう理解の方が私にはしっくりきました。
・ミッション:自分たちが果たすべき使命
・ビジョン:思い描く理想や未来
・バリュー:大事にしている価値観

つまり、順番でいくと目指したいビジョンがあって、自分たちのミッションがあって、価値観がある。MVVよりもVMVの方が自分たちには合っている気がしました。
・NPOが理想だと描く未来(ビジョン)
・その実現に向けてNPOが成すべきこと(ミッション)
・NPOが考え、行動するときに大事にする価値観(バリュー)
(行動する・しないの基準になるので行動指針でもある)

船に例えると、目指す行き先・新世界!(ビジョン)、掲げる帆(ミッション)、航路を決めるコンパス(バリュー)という感じ。

こんな大事なものは、誰とどう決めるのかプロセスが大事になりますね。まちのおやこテーブルの場合、任意団体からNPOになるときに、私が一人会議でうんうんと悩み考えたものはありました。組織として自分たちのVMVを何にするかをともに考え、対話し、決めていく相手は、NPOを一緒に運営してほしい理事が一番いい気がしました。

3人で考えた「まちのおやこテーブル」のVMV。

ビジョン:子どもと大人が当たり前に共生する子育てにポジティブな社会

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大人が子どもに教えてあげる、しつける、こうしなさい・ああしなさいと言う、子どもは大人に合わせる、従うという関係性ではなくて、一人ひとりの存在が尊重され、共に生きる関係性。子どもが社会に包摂され、誰かと手をつなぐことで、生きる温もりを感じ、楽しさやワクワク、驚きを通じて共に暮らし、共に社会に変化を生んでいくインクルーシブな社会。

インクルーシブとは一人ひとりの存在が尊重され、共に生きる、包摂すること。日本では障がいを持つ方との共生という文脈で使われることが多いですが、国際的には子どもや女性、高齢者、少数民族、性的マイノリティーなど、社会の中で少数派の立場にあるとされるすべての人が社会に包摂されることを指します。持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)の17の目標のうち、6つの目標にインクルーシブが入っていることからも、その意味の広さが伺えます。

当たり前のように聞こえますが、インクルーシブの反対語は排除(exclude)。様々な理由で多数派と同じように振る舞えないことで、特別の場所で過ごすか多数派と同化するよう「人」の側が変わることを求められがちです。子どもで言うと、こぼさない!走らない!しゃべらない!と言いがち。社会性はもちろん大事ですが、ともすれば大人の迷惑にならないよう子どもに静かにするように言い、その反面「大人しい」と嘆き創造力を発揮して子どもらしく遊び、活動することを求める。

多数派の迷惑にならないよう、多数派と同じようにできるよう人に変われというのではなくて、私たちは「社会」の側を少しずつ変えていきたい。そうすることで、少数派が肩身狭く感じることなく、一人ひとりが自分らしく生きる社会を思い描いています。私たちは子ども目線を大切に活動しますが、根底にある考え方の延長には様々な理由で少数派の立場にある人すべての人が生きづらさを感じない社会があるのだと思います。

任意団体時代からずっと大切にしてきたこの言葉は、目指している大人と子どもの関係性を表したコンセプトと言えると思います。

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ミッション:子どもとその側の大人を笑顔にする

ミッション

私たちは保育者や幼児教育者の集まりではないので、子どもを取り巻く環境、社会の側を変えていくところをミッションに置いています。

子どもの一番身近な大人「親」。親が大丈夫・何とかなると感じ、自分らしく育て、働き、暮らしていこうとポジティブに感じて笑顔になれることをやります。私たちも通ってきた道で得た気づきを次の世代に受け渡したい。

そしてもう一つ重要なキーパーソンが親や子どもの周りの大人。社会とはすなわち、自分たち自身です。私たちと子ども・親がどう関わるかが、親子が生きづらさを感じるか、生きやすさを感じるかにダイレクトに影響します。社会の側にいる私たち大人が子どもがいる社会を自分事と感じ、社会の子どもと関わりながら生き、暮らすことが自然になるような接点を作り、場をデザインします。

バリュー:価値観であり行動指針でもある

1. Be Positive なんとかなるさ    
 ちゃんとした子育てでなくても大丈夫
2. Empowerment できる!できる!
 子どもにもっと任せてみよう
3. Be the change 大人が変わろう
 子どもの「やってみたい」に知恵を絞ろう
4. Flat あなたも私も一丁前 
 子どももともに社会を作る仲間
5. Inclusion みんな違ってみんないい
 特別扱いしないで、ごちゃまぜを楽しもう
6. Ordinary Day 日常の幸せ
 まちで笑って暮らせた思い出が生きる力になる

ここの言葉を紡ぎ出すのに一番時間をかけました。バリューができた時は、まるで子どもを産んだときのような気持ちでした。

これらのビジョン(+コンセプト)、ミッション、バリューを一言で表す、私たちらしいキャッチフレーズも何かほしいところです。言ってしまえば「まちのおやこ」なのですが、それでは身内にしか通じない。今のところ「温もりのあるまち」なのかなと思っていますが、まだ対話が足りていない感じがしているので、もう少し時間をかけて考えていきたいと思います。


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