社会科目はインプットよりもアウトプット
社会科目に限ったことではないが、インプットばかりをやっていても、問題は解けるようにならないし、点数も伸びない。
理由は簡単だ。
入試の問題というのは、教科書や講義用参考書の本文の暗唱ではないからだ。
本文の暗唱が問題だったら、ひたすらインプットし続けるのが1番だろう。
しかし、そういった問題は、どこの大学でも出題されない。
入試の問題というのは、一問一答や正誤問題、史料読み取り、論述問題などである。
こういった問題は、いわばインプットした知識や用語の応用である。
ただ出来事の名前を覚えるのではなく、いつの時代に、誰が、誰に、どのような背景で、何をして、結果どうなったかなどを知る必要がある。
そういったことを知ることによって、その出来事に関するほとんどの問題を解くことができる。
このように関連事情を知ることは、教科書を読むだけでは厳しいかもしれない。
なぜなら、教科書だとページが離れていても、実は関係している出来事が多くあるからだ。
こういうことは、問題に出てきて、初めて関係していることを知ることも多いだろう。
例えば、渋沢栄一である。
日本史的に渋沢栄一は、銀行や紡績会社などの社会経済史で出てくるという印象である。
しかし、この渋沢栄一は、文化史に出てくる帝国ホテルにも関係している。
こういったことは、問題に出るまで中々気づきにくいと思う。
これが、問題を解いたことがない人と解いている人の差である。
アウトプットにより、新たなインプットが行われる。
また、問題傾向に慣れるということも重要だろう。
同じような問題を解いてると、問われる傾向が分かってくることもある。
これが分かると、勉強方法にも活かすことができる。
この時代のこの出来事はよく出てくるから、詳しい内容も覚えておこうなどと対策が取れる。
問題を解かないと、どんな問題が出てくるかも分からない。
よって、全ての範囲をひたすら覚えないといけないし、自分がどこを覚えていないかも分からない。
アウトプットまでがインプットであることを、意識することが大事だろう。