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毛玉取りたいクラブ。
気になる人がいる。
正確には、気になる人ではなく
その人の、持ち物が気になる。
朝の電車でたまに同じ車両になる、あの人。
年齢不詳の男性。
年季の入ったリュックに、フェルトで作ったマスコットが付いている。
おそらく手作り。
シンプルな丸形(たぶん中に綿が入ってる)の表面に
イニシャルと思われる、アルファベットが縫われている。
誰がどんなマスコットをつけていようが
自由である。
自由なんだけど。
そのフェルトのマスコット、毛玉の量が尋常じゃないのだ。
初めてみたとき、目を疑った。
表面をまんべんなく覆っている毛玉。
紛れもなく、毛玉。
え、こんなに毛玉ってつく?
そしてそれを放置する心理とは?
その毛玉を見るたび
取りたくて仕方がない衝動に駆られる。
…
年季の入ったリュックを使っている様子から想像するに、おそらくモノへの関心が薄いタイプなのしれない。
手入れ?
なにそれおいしいの?
といった感じなのかもしれない。
正直、私も手入れは得意ではない。
手入れが苦手なのもあって、洋服はレンタルだし。
アイロンなんかも、できれば避けたい。
ただ、毛玉は違う。
毛玉は気になるのだ。
なぜ君か分からない。
でも君しか見えない。
ちなみに、我が家が使っている毛玉取りはこれ。
洋服レンタルにしてから、使用頻度はかなり減った。
それでも手袋とか、マフラーとか
使いたいシーンは割とあるのだ。
で、毛玉取り。
毛玉を取った後の見た目も好きなんだけど
あの毛玉を取っている(カットしている?)、あの音が好きなのしれない。
少量だと
「ブーン」なんだけど
毛玉密集地帯に入ると、まれに
「ゴゴゴッ」みたいな音がする。
分かる人いるかな?
その音が、たまらなく好きなのだ。
「うわ〜!めっちゃ刈ってる〜!」
みたいな、なんとも言えない爽快感?
おそらく布に優しくはない行為なんだけど
でもそれがクセになるというか。
…
あのフェルトのマスコット。
きっと、私が好きな「ゴゴゴッ」が聞けると思うのだ。
その毛玉、私に取らせてください。
<あとがき>
毛玉を取った後、毛玉取り器が回収した毛玉の取れ高を確認する行為も好きです。
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