不織布に包まれるシャネル。
通勤電車内にて。
私の前に、キャリーケースを持った女性が立っていた。
30代くらいだろうか。
旅行でも行くのかな?
そう思って見ていると、
キャリーケースの上には
不織布に包まれた、シャネルのハンドバッグ。
薄い白の不織布なので、中が透けている。
シャネルのあのマークが、ででーんと主張しているので一目瞭然だ。
バッグの持ち手をしっかり握っている様子から見て、ギフトではなく彼女の私物のようだ。
もしギフトだったら、しっかりした紙袋等に入れそうなものである。
だとしたら。
なぜ、不織布に包まれたまま使っているのだろうか?
想像でしかないのだけれど
もしかしたら、シャネルのバッグが傷つくことを恐れているのではないだろうか?
愛のままにわがままに、僕はシェネルだけを傷つけない。
稲葉さんのシャウトが聞こえてきそうである。
不織布に包まれたシャネルを見て
以前、祖父が買ったばかりの車に乗せてもらった時のことを思い出した。
お気に入りの新車だったらしく、
車の座席には、納品時のビニールが付いたままだったのだ。
外し忘れなのか、汚れることを恐れているのか。
幼いながら
「なぜビニールが付いたままなんだろう」
と思ったことは忘れない。
祖父や電車の女性の、本当のところなんて誰にもわからない。
あゆもそう歌ってる。
でも、もし汚れることを恐れているのだとしたら。
「使ってなんぼやろ」
と言いたい。
関西には住んだことがないけれど、言いたい。
シェネルのバッグ、不織布に包まれているより、そのままの姿の方が素敵だと思う。
車の座席だって、ビニールを外した方が乗りやすいだろう。
バッグや車に限らず
「もったいなくて使えない」
「もったいなくて食べられない」
みたいな声をたまに聞く。
でも、それを手に入れたのであれば
一刻も早く、使い・食べるべきだと思う。
だって、手にした瞬間が一番旬。
そこからは、どんどん鮮度が落ちていくものだと思うから。
モノだったら鮮度は関係ないでしょ、と言われそうだけど、そんなことはないと思う。
「もったいないから取っておこう」
と言って、しばらくしてその存在すら忘れてしまうケースもある。
それって、すごくもったいない。
冷蔵庫に食品をしまい、いつの間にか消費期限を迎えてしまうという、あのケースと同じなのである。
なにごとも、鮮度が命だよなあ。
サポートいただけたら、あなたのリクエストに応じた記事を書くかも!?