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「労働」に関する人権課題

 おはようございます。弁護士の檜山洋子です。

 寝ている間の食いしばりが酷く、歯にヒビが入ってしまうので、マウスピースを付けて寝ています。
 これで歯はある程度守られますが、夕べは頬の内側を噛んでしまったようで、口内炎になりそうです。

 身体を脱力することが苦手なので、寝ている間もきっとガッチガチに緊張し続けているんでしょう。
 どうすれば脱力できるのか、教えて欲しいです・・・


 さて、今日は、ビジネスと人権に関する原則を定めた指導原則を日本国内で実施するための行動計画(NAP)の中の「労働」について、簡単に説明します。

NAPのおさらい

 NAPはNatinal Action Planの頭文字をとったもので、国連の指導原則を実際に各国内で実施するための国別行動計画のことです。

 日本は、欧米諸国よりも随分遅れて2020年10月にやっと「『ビジネスと人権』に関する行動計画(2020-2025)」を公表しました。

 日本版NAPには、国家と企業が横断的に取り組むべき分野6つが挙げられています。
 それは、①労働(ディーセント・ワークの促進等)、②子どもの権利の保護・促進、③新しい技術の発展に伴う人権、④消費者の権利・役割、⑤法の下の平等(障害者、女性、性的指向・性自認等)、⑥外国人材の受入れ、共生、です。 

 今日は、このうちの①労働(ディーセント・ワークの促進等)について簡単に見てみようと思います。

労働(ディーセント・ワークの促進等)
これまでの取組み

 労働分野においては、「ILO宣言」(労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言)の基本的権利に関する4つの原則(①結社の自由及び団体交渉権の実効的な承認、②あらゆる形態の強制労働の撤廃、③児童労働の実効的な廃止、④雇用及び職業についての差別の撤廃)を尊重し促進し実現するために、労働政策の推進とディーセント・ワークの実現を目指した取組みがなされてきました。

 つまり、国籍、人種、民族等による差別なく、労働者に適用される労働基準法、労働者災害補償保険法、雇用の分野における男女雇用機会均等法、船員法等の労働法令を通して労働者の権利の保護及び推進が図られています。

 2019年の労働施策総合推進法等の改正では、事業主の職場におけるパワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置義務(相談体制の整備等)の新設や、セクシュアルハラスメント等の防止対策の強化(セクシュアルハラスメント等に関する相談をしたこと等を理由とする不利益取扱いの禁止等)がなされました。

 外国人技能実習制度については、2017年11月施行の技能実習法や送出国政府と作成した二国間取決め等に基づいて、技能実習制度の適正化及び技能実習生の保護が図られています。

これからの取組み(「『ビジネスと人権』に関する行動計画(2020-2025)」からの抜粋)

ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の促進

 雇用の促進、社会的保護の方策の展開及び強化、社会対話の促進、労働における基本的原則及び権利の尊重、促進及び実現等です。

【内閣府、厚生労働省】
「ILO宣言」に述べられている基本的権利に関する原則の尊重、促進及び実現のために労働政策を推進し、女性活躍の推進にも貢献するワーク・ライフ・バランスの確保も含むディーセント・ワークの実現に引き続き努めていく。
【内閣官房、人事院、総務省、外務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、防衛省】
批准することが適当と認められる基本的なILOの条約及び他のILOの条約の批准を追求するための継続的かつ持続的な努力を払っていく。

ハラスメント対策の強化

【厚生労働省】
改正労働施策総合推進法等の履行確保を通じてハラスメントのない職場環境の実現に向けた取組を引き続き推進していく。

労働者の権利の保護・尊重(含む外国人労働者・外国人技能実習生等)

【厚生労働省】
外国人を雇用する事業主に対する労働法令の遵守及び「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」について、セミナー等を通じて事業主への周知徹底・意識啓発を図る。

【厚生労働省】
外国人労働者のために、都道府県労働局、ハローワーク、労働基準監督署において、多言語による対応を引き続き実施する。

【法務省、外務省、厚生労働省】
技能実習制度においては、平成29年から施行した技能実習法に基づく新たな制度の下、監理団体の許可制や技能実習計画の認定制の導入、技能実習生への人権侵害の禁止規定や人権侵害を行った監理団体等への罰則規定の整備、外国人技能実習機構による実地検査の実施や技能実習生からの母国語相談・申告窓口の設置、二国間取決め等による制度の適正化を、ジェンダーの視点も踏まえつつ、引き続き実施する。技能実習制度の運用に関するプロジェクトチームが取りまとめた改善方策を引き続き着実に実施するほか、技能実習生の失踪防止に向けた新たな施策の実施に取り組む。


 労働分野における人権問題は、人と人との関わりが続く限り永遠に続く課題といえます。
 政府の動向に注意を払いつつ、経営者本人の人権意識を高く持ち続けることが大切です。

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