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SDG1 貧困をなくそう

 おはようございます。弁護士の檜山洋子です。

 SDGs、SDGsっていうけど、その内容、理解できていますか?

 なんとなく雰囲気しか知らないや、っていう人も少なくないのでは?

 そこで、私自身の勉強のためにも、今日からSDGsの17のゴールごとに、会社ができる(かもしれない)ことを考えてみようとおもいます。

SDGsとは?

 まず、簡単に、SDGsとは?から。

 「SDGs」は、「Sustainable Development Goals」の頭文字をとり、複数あるゴールに合わせて複数形にしたものです。
 日本語では「持続可能な開発目標」と訳されています。

 産業革命以降、人類は急激な経済発展を遂げてきました。
 私も電気やインターネットなしで生活することには全く自信がない現代人です。

 しかし、経済発展の影で、自然環境が破壊され続け、人権を無視したビジネス活動が行われ、戦争がくり返されてきました。

 このままでは、経済発展も頭打ちになるだけでなく、人間が生きる場所がなくなるのではないかという危機感から、2015年、国連本部において「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。
 このアジェンダが、人間、地球及び繁栄のための行動計画としてかかげたのが、17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs)」です。

 国連のWebサイトには、以下の説明があります。

 持続可能な開発目標(SDGs)とは、すべての人々にとってよりよい、より持続可能な未来を築くための青写真です。貧困や不平等、気候変動、環境劣化、繁栄、平和と公正など、私たちが直面するグローバルな諸課題の解決を目指します。SDGsの目標は相互に関連しています。誰一人置き去りにしないために、2030年までに各目標・ターゲットを達成することが重要です。

https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/31737/

 国連本部のウェブページ(About the Sustainable Development Goals)の説明が日本語に変換されたものですので、英語に抵抗がない人は、国連本部のWebサイトも覗いてみてください。

 SDGsには17の目標と169のターゲットが設定されていて、その進捗を測るために244の指標が示されています。

 今日は、目標1「貧困をなくそう」について、企業に何ができるのかを考えようと思います。

目標1 「貧困をなくそう」

あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ。

 2016年時点で、国際貧困ラインである1日1ドル90セントを下回る生活をしている人が7億8300万人以上いるそうです。

 超円安の相場である1ドル=125円で計算したとしても、一日237.5円だけで家族で生活しているというのです。

 1年で8万6687.5円!

 きっと日本だと、1か月9万円の収入でも切り詰めた生活を強いられると思いますが、それを1年で生活している人が8億人近くもいるとは・・・!

 この貧困層のほとんどが南アジアとサハラ以南のアフリカに集中しているということですが、今後国どうしの対立が深まると、貧困地域が世界に拡大するかもしれません。

 また、男性よりも女性の方が2割増しで貧困度が高いそうです。

 日本国内に目を向けると、シングルマザーと子供の貧困問題が深刻な状況になって久しいです。

 女性は、結婚、出産、子育て、介護などにより、仕事との両立が困難になり、夫の収入を充てにして仕事を辞めてしまったのに、離婚して養育費の支払いも滞って、複数の仕事をかけもちしても生活が辛い、という状況に追い込まれている、という話をよく聞きます。

 日本で年間9万円で生活をするほどの貧困問題は多くはないでしょうが、それでも、日本で生きていくために必要な収入にはほど遠い生活を強いられている人がたくさんいるのです。

会社ができること

 日本国内だけでドメスティックにビジネスを展開している会社にとって、南アジアやアフリカの貧困の話をされても、どこか人ごとに思われるかもしれません。

 しかし、日本国内における貧困問題にも積極的に取り組んでいくことがSDGsの達成の一助となるはずです。

 で、どういうことができるのかを考える時には、シングルマザーの貧困問題が会社で働き続けにくいことからも発生していることに目を向けると良いと思います。
 女性が(もちろん男性も)いかなるライフステージにあっても、仕事を継続しやすい制度づくり、風土づくりを積極的に進めることです。
 例えば、産休・育児介護休暇休制度の拡充、有給休暇の積極活用、あらゆるハラスメントの撲滅、公平平等な人事評価システムの構築、女性役員の積極的登用などなど、やれることはたくさんあります。

 女性がしっかり楽しく働き続けることができれば、自然と子供の貧困問題のうちいくつかは解決できるはずです。

 「貧困をなくそう」と言われると、ユニセフの子供の写真を思い出しがちですが、もっと身近な、きちんとした服を着て化粧もして一見何の問題もなさそうな女性従業員のことを思い浮かべ、その方たちの働く環境を整えていくようにしてみてください。

 そんな会社が増えれば、せめて日本国内の貧困問題のいつくかは解決できるはずです。

 もちろん、女性が活躍する会社の利益がアップすることは間違いありません!

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