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book#6 実力も運のうち 能力主義は正義か?

著者はマイケル・サンデル氏。ハーバード大の教授として広く知られている人。“これからの「正義」の話をしよう”を過去に読んだことがあるので、こちらの著者は2つ目。

実力も運、って。身も蓋もないような…。あらゆる事は運次第だから諦めろって?

実際読んだら、そう言う話ではありませんでした。
人生において結果を出した人に対し、「それは全てあなたの努力の賜物」。というわけでは無く、
あなたのおかれた家庭の経済力等、環境や社会構造が、今の結果に繋がっている部分が非常に大きいのである。と著者は指摘されている(と思います)。

著者は、能力主義社会がもたらす成果をあげられなかった人への影響:自己肯定感の低下や自責の念を産みだす事、について厳しい指摘をしています。

私も、能力主義は平等な世の中を作るためには、一役買っている、と思っていましたが、読み終えたあとは、能力主義がもたらす歪みは否めないと考えるようになりました。

そして私自身、振り返りをして、

成果をあげられた事も、多くは自分を取り巻く環境が良かった事が、結構な要因にだったかも。と思えるようになりました。

もちろん、それぞれの努力無しでは何の成果も上がらないだろうし、全ては運(環境)のお陰なんて言われたらモチベーションも保てない。本書の内容全てを肯定するとは言えませんが、

成果があがったときでも、傲慢にならず感謝を持って周りの人と付き合って行こう、という気持ちが以前より強くなった気がします。


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