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BUCK-TICKと俺。①「SEXY STREAM LINER」1997年
1997年発売BUCK-TICKの10枚目のアルバム(合ってる?)「SEXY STREAM LINER」を勝手にレビュー。レビューよりただの雑感。
※以下は個人的感想であり思い出語りでもあるため、曖昧な記憶による捏造や妄想、嘘が含まれている可能性が存分にあるため話半分(文字半分)で読んでいただきたい。という前置きで逃げ切りたい。すいません。
■先行シングル「ヒロイン」
歪でダークネス、妖しくノイジー、そしてシンプルなギターイントロから打ち込みと生ドラムのシンクロ、同じフレーズを繰り返すベース。BUCK-TICKがかねてよりやってきた「機械的打ち込みを生音で表現する」の一つの到達点ではないかと。
当時既にシーンを賑わせていた「ドラムンベース」というジャンルにBUCK-TICKが生音で再現していたという意欲作。歌詞はヒロインというよりヘロインを想像させる内容で、これをシングルにするBUCK-TICKに痺れたよね、股間が。
■アルバム「SEXY STREAM LINER」
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■M1「タナトス」 作詞/櫻井敦司 作曲/今井寿
→あくまで個人的感想だが、このアルバムは無機質な打ち込み的楽曲に反し、歌詞は肉々しい(生々しい?肉体的?)なものが多い。この曲も無機質に同じパターンを繰り返すばかりで一見単調だがこのテンションの楽曲をメジャーシーンでやってることが凄い。さすがBUCK-TICK。無駄な抑揚のない良曲。
■M2「SEXY STREAM LINER」(編曲: 今井寿/横山和俊)
→当時のライブでも出囃子に使われていたインスト曲。サイバーで無機質な中に肉がある感じ。怪しい。
■M3「ヒロイン -angel dust mix-」 作詞/櫻井敦司 作曲/今井寿
→シングル版よりエコー(リヴァーブ)がかかり、より怪しさが増す。BUCK-TICKの人力(半分機械)ドラムンベース。当時のインタビューでヤガミトール氏が「打ち込みとの同期でスランプに陥った」と語っていたと思う。生のドラムいる?という葛藤もあったんじゃないかな。多分。
■M4「無知の涙」 作詞/櫻井敦司 作曲/今井寿
→ヒロインとは違い、正統なロックナンバー。後に布袋寅泰氏もカバーしたんじゃなかったかな。(リミックスはやってます
)言葉遊び風な歌詞、インダストリアル的な硬質ドラムとうねるベースと打ち込み音のミックス。BUCK-TICKらしい良曲。
■M5「リザードスキンの少女」 作詞/作曲 今井寿→もはや今井氏の十八番ともいえる抑揚なく怪しく重い曲。好きです。
■M6「螺旋 虫」 作詞/櫻井敦司 作曲/星野英彦
今でもソラで歌詞を歌えるくらいには好きな曲。歌モノとして完成されているんですよね。歌ってて気持ちいい。歌詞も良い。名曲。
■M7「蝶蝶」 作詞/櫻井敦司 作曲/星野英彦
→星野氏作曲の元気な方の曲。曲調、展開共にすごくシンプル。高くもあり低くもある。
■M8「囁き」 作詞/櫻井敦司 作曲/今井寿
→アルバム発売後にシングルカットされた曲。何故シングルカット?(アナログ化もされた)と思うくらいの曲ではあるが個人的には好み。
そして、この曲には思い出がある。
ー 私が高校を卒業した後、友人M(Mとは小中高と同じ)からのお誘いで、中学の同級生だった女子とその友人、Mと私の4人で食事会があった時のこと。当時の私はそりゃあ若き性欲を持て余していたので「ワンチャンあるかもな」とテンションも股間も盛り上がっていたのだが、その食事の席で何を思ったかMがその女子らに「こいつ(涎を垂らす〜♪)とか歌ってる曲聴いてるんやで!ケケケー!」と得意げに語りだしたのだ。な、なんで?
その後の女子らの私への視線は冷たいものだった。私の「ワンチャン」は終わったのだ。
しばくぞ。
ちなみにMとは今も仲良くやってます。ズッ友。くっさ!
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■M9「迦陵頻伽 Kalavinka」 作詞/櫻井敦司 作曲/今井寿
→迦陵頻伽(かりょうびんが)と読む、と認識した(当時調べた)のにローマ字スペルはカラビンカ。どっちが正解なのかファンの皆さんはどう読んでいるのか。私の周りにはBUCK-TICKのファンがいないので知る由もない。
和の風味を感じる怪しさ満点の曲。この曲もいいよね、BUCK-TICKにしか表現できない曲。
■M10「MY FUCKIN' VALENTINE」作詞/作曲 今井寿
→詞のエログロサイバーパンク感と歌のテンションが楽曲と一致しておらず、ノリノリで聴けば良いのかどうかよくわからない曲。これもっとシンプルにドラムは4つ打ちでベース強めにクラブミュージックぽくすれば良いのに!と当時思っていました。(今も思ってる)しかしそれがなんと「囁き」のシングル版にこの曲のリミックスが収録されており、そちらは4つ打ち。個人的にはリミックス版の方が好き。でもこの曲凄いよ、どのテンションで作ったんだろうと夜空を眺めながら思います(思わない)
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■M11「Schiz・o幻想」 作詞/櫻井敦司 作曲/今井寿
→「Schiz・o」と言われても何て読めば良いんですか?と自問自答。Schizophrenia(スキゾフレニア)という精神医学の言葉から来てるのならスキゾで良いのかどうか。当時は読めなかったので「幻想」と言ってました。1人で。
この曲も良い。ミドルテンポで重くドロドロ。「螺旋 虫」同様、完成度が高い良曲。歌詞も良い。
■M12「キミガシン..ダラ」作詞/ 櫻井敦司 作曲/今井寿
ポップでシンプル、サビもしっかりあり曲調は爽やか(歌詞は真逆)。ヒロインよりもクセがなく聴きやすい曲ですらある。このアルバムが出た翌年にhideさんが他界し、ある意味洒落にならない曲になったな、と当時私は思ったわけです。
■回想(BUCK-TICKライブに初参加!)
全体的に当時の流行(ロックとクラブミュージックの融合=ドラムンベース)を目指したのかな、と思いきや正統派のBUCK-TICK流ロックや歌モノもあり一筋縄ではいかないところがさすが。
私は当時、ProdigyやChemicalBrothersを好んで聴き、AtariTeenageRiot化したマッドカプセルマーケッツのカッコよさに痺れていたのでBUCK-TICKも攻めたな!と思いました。BUCK-TICKの「ヒロイン」とマッドカプセルマーケッツの「SYSTEMATIC.」は当時の音楽文化を知る良い曲です。今聴いてもカッコいい。
そして私が初めてBUCK-TICKのライブに参加したのが1997年末、武道館で開催された「SEXTREAM LINER-type零型」。
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昨年、X(Twitter)にもアップしたが、実家にまだ当日のチケットが残っていたという。以下グッズ。
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この頃は恐らくではあるがBUCK-TICK人気も一段落した頃なんだろうと思う。今に比べてチケットが取りやすかった。
さすがにセットリストまでは覚えていないが、本作を中心に前作「COSMOS」前々作「Six/Nine」から数曲だったと思う。
このライブで特に印象的だったのが、当時未発表曲であった「月世界」が聴けたこと。「赤黄色向日葵、橙群青紫陽花」のフレーズは印象的で、個人的にはBUCK-TICKのベスト曲の一つでもある。
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ここまで読んでくれた方がいるのかどうかはわからんが、以上が私の思う「SEXY STREAM LINER」の雑感と当時の思い出だ。
私もいつ死ぬかわからんので生きてる内にインターネットの大海原にちんけな思い出を流しておきたい。また次もやる。多分。