何度も読んでいる「細雪」について①
私の愛読書、というかもはや中毒書の一つが谷崎潤一郎著の「細雪」です。
1936-1941年までの関西の上流階級の蒔岡家の四姉妹をめぐる物語で、おもに三女・雪子の縁談に周りが奮闘する様子が描かれています。
この作品ものすごく好きで、何回も読み通した上に映画も観て、舞台も観に行きました。とにかく着物が豪華で、四姉妹揃った様子なんてため息ものです…
雪子はおとなしく、次々くる縁談も完全に受け身ですが、四女・妙子はこの時代のお嬢様には珍しく自由恋愛を通しています。
庶民ならともかく、この時代の裕福なお家の結婚なんてそれこそ家柄や財産がものすごく大事でしょうに、なかなか進歩的な女性です。
それにしても雪子の受け身ぶりがすごい。
電話も満足に出られない、ショッピングやお茶などに行くのは好きだけど一人では行けないような性格。
お見合い話にしても、周りがやいやい言ってやっと重い腰をあげるって感じです。
そのくせ自分の意思は結構しっかりしていて、気に入らなければ頑としていうことを聞かない。
周りの皆が雪子の顔色をうかがい、ご機嫌を取って気持ちを汲んであげる必要がある。
…どんな面倒なお嬢様やら。
現代にいたらニートという言葉で片付けられてしまうのかも。
こんな雪子お嬢様の縁談話が中心になって話が進んでいきます。