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モノづくりもしている素材メーカー・三井化学さん研究所見学

こんにちは!デザイナーの横山です。
3月に友人のプロダクトデザイナーY君に誘っていただき、三井化学さんの研究所・袖ヶ浦センターに訪問させていただきました。
場所が千葉だったので、2時間半あまり小旅行気分でうかがいました!

広々とした正面玄関

第一印象として、三井化学さんの敷地が広い!!飛行機からでもよく見えるそうです。
敷地内では1000名以上の研究者の方たちが日々研究にいそしんでいます。
こんなにたくさんの研究者の数聞いたことないです!!
社内ではもちろん自転車移動、敷地内で迷子なんてこともあるそうです。

早速中にお邪魔すると。。。なんとも素敵な空間!!
エントランスの中や食堂など田子學さんがアートディレクション・デザイナーとして入られているだけあり、スキがないけれど心地よくデザインされています。

木の枝の様な台座のテーブル
社員の方を3Dスキャンして作ったフィギュアがならぶウォールアート
歴史紹介も読みたくなるようなワクワク感
ここ会社ですよ!住みたい! 笑

袖ヶ浦センターは、35年以上の歴史がありますが、設立当初はコラボレーションをするために生まれた研究所でした。
時代も経ち、古さも、使い勝手の悪さも目立ってきたことから、社員が立ち上がり、田子さんと一緒に小さなスペースからDIYで改装していきました。
小さなスペースを改装したことで、社内の風向きがかわり、社員のモチベーションアップ・上層部の意識改革、さらにエントランスや食堂などの大規模な改装工事につながりました。
空間をデザインする事で自然と人が集まり、良質なコミュニケーションが生れているようです。

単なる空間デザインではなくコミュニケーションデザインとして機能している

三井化学さんは素材を主に扱っています。
ガス・液体・つぶつぶ(ペレット)を扱っています。
今回は樹脂やプラスチックなどのペレットや、樹脂系の新素材や特殊な素材・それを使った製品&巨大3Dプリンターを見せていただきました。

3Dプリンター

実際の3Dプリンターはお見せできないのですが、こちらの椅子が出力できてしまうサイズ(しかも2色成形もOK)。
プリンターのサイズは工事現場にある小さいプレハブ小屋くらいありました。

人が乗っても平気!
こちらは公開OKな3Dプリンター
サイズは大きめの業務用冷蔵庫くらい?

特殊素材を使った製品

三井化学さんでは、「MOLp(モル)」という砂場のような部活動があり、素材の可能性を探求する活動をしています。
MOLp狙いはコミュニケーションづくり。
コミュニケーションをするためにモノ作りや空間作りをされています。

MOLpで作られたプロダクトや素材をいくつか見せていただきました。

【UVで色が変化する素材】
UVに当たると色が透明から変化します。
当たらないところに持っていくと、元の色にもどります。

太陽光をあてるためにわざわざ外へ出していただきました
実用化されているボタン
もともとは透明ですが上の方のボタンにだけブラックライトあてた後
もともとの色は同じ白
右のサンプルだけブラックライトをあてている(下の方だけ更に長くあてている)

【いろいろ練り込まれた樹脂】
もみ殻や海洋性ミネラルなどを練り込んだ樹脂。
もみ殻はほんのり香ばしい香りがしました。
海洋性ミネラルを練り込んだ樹脂(NAGORI)は陶器の様な質感で、高級感があります。
「プラスチック食器の食事って不味いよね!」という研究者のつぶやきから開発が始まりました。
一方で、海水の淡水化プラントのところで、魚とサンゴが死んでいるっていう社会課題があり、その濃縮水つまり海洋ミネラル成分を廃棄物ではなく、原料に見立てれば、魚とサンゴ救えるという発想のもと、PPAPのごとくテーマがくっついてプロダクト化していきました。

陶器と同じ熱伝導性を持ちながら、プラスチックと同じ成型方法で生産できます。
割れにくい性質を持ちつつ、もう一度溶かせばまた新しい命を吹き込むことができるすごい素材!
これまでプラスチックではなかった圧倒的な質感はNAGORIの特徴です。(2018年グッドデザイン賞BEST100に素材として選定。)

seccaさんデザインの月面の様な神秘的なお皿
素材サンプルの一部

【熱で伸縮する素材・ヒューモフィット】
こちらも妊婦さん用のブラジャーやパンプスなどにすでに実用化されています。ぎゅっと伸ばしても、じわじわと元のサイズに戻っていきます。

見にくいですが透明のフィルムの様なものがヒューモフィット

【その他】
展示会などで手拍子している赤いロボ君見た事ありませんか??
実はこちらで作られていました!
社員のKさんの実際の拍手の音を分析し、素材から開発されてます。
音響解析技術は本来、自動車内装材を開発するときに、ロードノイズをどう減らすかというように使用しますが、今回は逆に使っています。
音を分析し、素材と手の構造と速度を設計して作り上げています。
旧来品はただのプラスチックの安い音でしたが、今は、どこまでも響き渡る音で場を盛り上げています。

思ってるよりずっと音が響きます

眼科手術の訓練シュミレーター
手で触った時の感触ではなく、メスできるときの感触や構造を合わせこんで作られています。
より実際の手術の感覚に近いシュミレーターになっています。
大学の先生と一緒に共同開発し、現在、国内の眼科や大学病院等へ納品しています。

歯の方は総入れ歯です。
アメリカが先行していますが、日本でもすでにビジネス展開しています。

こちらの方がエントランスに鎮座されています

まとめ

素材メーカーさんは今まで縁の下の力持ち的なイメージでしたが、ガラッと印象が変わりました。
従来は素材メーカーさんは素材の提供をして終わりでしたが、MOLp🄬の活動を通して様々なコミュニケーションが生れ、社内のやる気や活気につながっているように感じました!
これから、こんな企業がもっと増えそうです!!

最後までお読みいただきありがとうございました。
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今回お邪魔したのはー
三井化学株式会社 https://jp.mitsuichemicals.com/jp/
MOLp  https://jp.mitsuichemicals.com/jp/molp/
MOLp Twitter #MCI_MOLp


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