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遠くそばから

ごたついた館内を後にして
友人と別れては
暮れの早まる時期を知る

車内に馴染むくらいか
ばらばらと人の数が乗りあい
立ってわたしは眺めていた

まぶしく軋る黄色のあちこちが
上下する建物を水辺として
陽の落ちるのを誘い合っている

わたしにとって
左に流れるこれら風物は
ただ
美しいものとして味わうのみ

陽の間に移る現象のかたちを
遠くから愛する一辺に
この先も生きていきたいと。

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