ホスピスから特養へ〜最後から二番目の引っ越し〜
「半年たったから言うけど、母の施設もう一度考えたい。施設の費用もかなり上がってるの。」
ホームホスピスに移って一年がたった頃、私は姉にそう切り出した。
ホスピスに移った経緯はこちら↓
要介護2から要介護5に進行した母の1ヶ月の経費は50万円を超えている。
施設にかかるお金(食費や雑費含む) 45万円
介護費(上限あり)4.5万
医療費(上限あり)1万円
本人が納得しているならまだしも、本人も出たい、私も通うのが辛い、そして高い。
もうここに居る理由はないな、と決意した。
この金額に、さすがの姉も「YES」と言ってくれた。
結局は母、私の家の近くの特別養護老人ホームにお世話になることにした。
和風できれいな作りで、今どきの特養ってこんなに?と思うほど、洗礼されている。
費用は今までの半分になった。
引っ越して約半年、病気が進行しているのか、ホスピスほど話しかけてもらえないからか、母の言葉はほとんど聞き取れない。
何かを訴えかけているのだけど、残念ながら私には全くわからないのだ。
そして、私は、これは最後から2番目の引っ越しだ、と思うことにした。
終の棲家を探す、って重すぎる。
母の命があとどのくらい灯り続けるかなんて誰もわからない。だからこそ、もっともっと軽い気持ちで、住む場所を決めるしかない。
きっともう一回くらい引っ越すさ。
要介護者の引っ越しは、想像を絶する大変さだけどね、それはまたいつか綴ろう。
育児と介護、一緒に来るて笑っちゃうけど。だからこそ私は自分のやりたいことをもう一度見つめなおそうと心に決めた。
おわり