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【考え事】知らないことに興味は持てない

■ 馬術とアカペラ

 職場の同僚で、小さい頃から馬術をやってきた人がいる。確かに大学の時に馬術部はあったが、これまでの人生で一切馬術に関わってこなかったため、やってみようと思う事すらなかった。興味本位で始めたきっかけを訪ねると、「おばあちゃんの家で小さい頃から馬に触れる機会があった」という事だった。私が一切関わってこなかったというだけで、そういう人生があることは想像に難くない。

 そういう意味ではアカペラも同じかもしれない。これまでの人生でアカペラに一切かかわってこなかった人も多いだろう。競技人口は近年急速に増えているが、野球やサッカーなどには遠く及ばない。馬術かアカペラ、どちらが一般的にメジャーな競技かで言えば、どっこいどっこいなのではないか。

■ きっかけが必要

 アカペラを始めたきっかけは、テレビのハモネプである。RAG FAIRのおっくんのボイパに魅了されて、それからビデオが擦り切れるぐらいコピーした。中学高校はバスケ部だったので、大学に入って「やるなら今かな」という感じでアカペラサークルに入った。

 思えば中学の時にテレビでフィギュアスケートに興味を持てばその道に行ったかもしれないし、馬術に興味を持てば馬術に行った可能性もある。気がついたら野球をしていたかもしれないし、将棋にのめりこんでいたかもしれない。

 つまり最初のきっかけは外から与えられなければ興味を持つことはできないのではないだろうか。知らないモノを買いたい人がいないように、何かを「はじめよう!」と思うきっかけも、誰かがやっていたとか、テレビで観たとか、何らかの外部からの働きかけで「やってみてもいいかも」と思うだけのきっかけが必要なのだろう。

■ GoogleとYahoo!Japan

 検索サイトのTopページを比較すると、Googleはいたってシンプルである一方で、Yahoo!はニュースや広告など、様々な情報が目に入ってくる。

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 Googleでは自分が興味があるワードを検索する必要があるが、Yahooはニュースなどのランダムな刺激が入ってくる。見たい情報を見たい時に、という考え方ではGoogleの方が使いやすいが、目的以外のものも見てしまうとついそれに興味が行ってしまう、という感覚は日本人に合っているのだと思う。インターネットが普及しても、テレビや書店やリアル店舗における買い物が根強く残る理由はそこにあるのだろう。

 AmazonやYouTubeなども、検索履歴からレコメンドという手法で他に興味がありそうな商品分野を推薦してくれるが、個人の興味範囲の周辺のジャンルに偏りが出てしまい、おそらく馬術やアカペラのような範囲のランダム性までは到達しにくいだろう。(今まで一度も馬術用品を調べたことが無い人が馬術用品を買う確率はほぼ0に近い気がする。)

■ 好きなものだけで生きていく

 YouTubeで好きな動画を観て、Amazonで好きに買い物して、UberEatsで好きなメニューを頼んで、テレワークで1日中自宅で過ごす。そうすると自分が好きな分野とその周辺に特化した狭い範囲の分野にしか関わらず生きていくことが可能になるし、意識しなくてもそうなっていくだろう。

 そうすると全てが想定通りで快適な人生になるかもしれないが、狭い世界に入ってしまう可能性がある。サイロ化しやすい世の中だからこそ、これまで以上に意識的に外に目を向けなければいけないのかもしれない。


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