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【おすすめ映画】偶然と想像 (2021年)

 映画は好きなんだけど何を観て良いかわからない、という方にきっかけを与えられたらという思いで書いてみました。この映画はいつかアマプラやネットフリックスでも配信されるかと思っていましたが、いつまでも配信されないので先日DVDを購入して観た映画です。

「ハッピーアワー」「寝ても覚めても」の濱口竜介監督初の短編オムニバス。2021年・第71回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品され、銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞した。親友が「いま気になっている」と話題にした男が、2年前に別れた元カレだったと気づく「魔法(よりもっと不確か)」。50代にして芥川賞を受賞した大学教授に落第させられた男子学生が逆恨みから彼を陥れようと、女子学生を彼の研究室を訪ねさせる「扉は開けたままで」。仙台で20年ぶりに再会した2人の女性が、高校時代の思い出話に花を咲かせながら、現在の置かれた環境の違いから会話が次第にすれ違っていく「もう一度」。それぞれ「偶然」と「想像」という共通のテーマを持ちながら、異なる3編の物語から構成される。

映画.com 偶然と想像

 濱口監督の映画は「寝ても覚めても」を最初に観て、その後で「ドライブマイカー」を観るという順番でした。寝ても覚めてもは主演俳優同士のスキャンダルによって違う意味合いで知られる映画になってしまったことが今でもとても残念です。
今回紹介している「偶然と想像」は演劇テイストが強いですが、3編オムニバス形式なので比較的観やすいのではと思っています。この世界観がOKなら、179分ある「ドライブマイカー」も十分楽しめるのではないでしょうか。濱口映画入門編という位置付けでお勧めしたいです。
作中に明らかに過剰な演出を抑えたセリフの棒読みシーンがあるのですが、これはドライブマイカーの中に登場した演劇の演出でした。感情を完全に抜き取ってセリフを読むということはとても難しい技術だということが描かれていました。これもドライブマイカーと併せて観ると楽しめます。

宇多丸さんのムービーウォッチメンでも紹介されていました。様々な観客の熱量の高さも感じられると思います。

濱口監督の待望の新作は4月26日公開予定です。こちらも楽しみです。

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