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Amazonで『寺山修司の短歌を読み解く』を出版しました

Amazonで『カフカの短編を読み解く』を出版しました。noteで書いた記事を部分的に書き直してまとめたものです。

kindle版

ペーパーバック版

寺山修司の短歌のうち、筆者が気に入った47首を取り上げています。それぞれに、語句や文語表現の説明を付し、歌の内容を詳しく解説しています。

寺山の歌は、何が語られているのかがわからないものも多いですが、読者としての立場から、一首一首、疑問に向き合い、ていねいに読み解いています。

マッチ擦るつかの海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや
海を知らぬ少女の前に麦藁帽のわれは両手をひろげていたり

のような有名な歌ばかりでなく、

駈けてきてふいにとまればわれをこえてゆく風たちの時を呼ぶこえ

のようなあまり知られていない良歌、

土曜日や訪ねんとする友もなく胡桃を割って馬を追い出す

のような理解しにくい歌も扱っている。

筆者の理解と異なる解釈がある場合はそれも紹介しています。また、歌が詠まれた背景も、わかるものについては記しています。

補足として、「寺山修司のトラウマ」を付け加えました。少年期から思春期に至る寺山の心の傷について論じています。寺山の歌を解釈したり、伝記や研究書を読んだりしているうちに見えてきたものです。

短歌はあまりにも短いので、いろいろな解釈が可能です。この本に記したものもその一例にすぎません。それでも、少しでも寺山の短歌を愛誦する人の参考になればうれしいです。

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