見出し画像

クラレ#6:奇跡のイケメン講師塾へ入塾!その結末は...?

奇跡的にイケメン講師の居る塾が近所に見つかり、運命的なものを感じた為、さっそく入塾の手続きを完了させた。
体験授業も楽しかった様子で、塾に行くことを楽しみにしていたクラレだった。
この塾がクラレの第三の居場所になるかもしれないと期待も膨らんでいた。

そしてイケメン講師の個別指導塾がスタートした。
講師一人に対して生徒が最大3人までの授業で、1コマ100分だ。
中学に入ってからマトモに勉強していないクラレにとっては恐ろしく長い時間なはずである。

それでもクラレは週に1日の通常授業とほぼ毎日ある冬期講習に頑張って通っていた。

学校へも塾に行き出してからは朝から行けるようになっていた。
イケメン効果スゲェ!と思った。

ところが・・・
個別指導塾に行き出して2週間が過ぎた頃のある朝・・・
クラレは突然スイッチが切れたように起きなくなった・・・

声をかけても反応が無く、ゆすっても身体を起こそうとしても声ひとつ出さない。

寝てるわけでもなく、時々目は開けるものの、どこを見てるか分からず視線も合わない。

ちょっと怖いとさえ、思ってしまう。

クラレはこの2週間頑張っていた。
学校も午前中から行っていたし、部活もやって、帰ってからは塾にも行っていた。

勉強にも前向きに取り組もうとしていたので、塾に通い出したことでいい方向に向かい出してきたのかと期待していた。

でもそれはクラレが無理に頑張っていただけかもしれない・・・

とにかく、今クラレが何を思っているのか知るためにどうしたらいいか考えた。

前にも同じような状態になった時に、紙に筆談のように書いてやりとりをしたことを思い出した。

今回も同じように紙と鉛筆を渡して「なんでもいいから思ってることを書いて」と言った。

しばらくするとクラレが何かを書き出した。
クラレが書いたことに私が口頭で返事をすると、クラレがまたその返事を紙に書く・・・というやりとりが続いた。

そのやりとりで分かったのは、とにかく学校の先生が嫌だということだった。
塾には通い出したものの、クラレにとって『学校』はまだまだストレスの元凶になっているのだなと感じた。

冬休みに入り、クラレは塾にはちゃんと通って、冬期講習も全部受けることができた。
でも塾での宿題はいっさいすることはなく、自習室へも通うことはなかった。

塾での授業態度も、居眠りをしたり落書きをしている時間が増えていると塾からくる報告メールで知った。

明らかに塾や勉強に対しるモチベーションは落ちていると感じた。

そして3学期が始まると、クラレは塾にも行き渋るようになっていた。

塾の講師は、イケメンではあったが、生徒のメンタル面をサポートして、モチベーションを上げてくれるような対応はしてくれない塾だった。

クラレも「塾行くのめんどくさくなってきた」と言い出していた。

結局クラレは3ヶ月目でイケメン講師の個別指導塾を辞めてしまった。

クラレの気に入る見た目の講師を重視して選んだ塾だったが、結果的には失敗だったかもしれない。

でもどの塾を選んだとしても、結果は一緒だったかもしれないが・・・

そしてクラレの第三の居場所探しは振り出しへと戻った。

クラレ編 ⑦ に続く

#イケメン塾講師

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?