イケメン講師のいる個別塾だったら学習のモチベーションアップにも居場所づくりにもWin-Winじゃね??
中学校に進学後、ガラリと変わってしまった先生や学習内容に対応できず徐々にストレスを貯めていき「過敏性腸症候群」を起こしてしまった長女クラレ。
生まれ持ったガチのコミュ障で、友達を作りにくいクラレにとって、学校の先生とのコミュニケーションは学校生活を送る上で最大のキーポイントになっていたので、そうなってしまうことにも頷ける。
担任の先生に相談してクラレへの配慮をお願いしたり、スクールカウンセリングにも繋げてもらった。
スクールカウンセリングの先生はクラレが中学校で初めて心を開けそうな先生だったが、週に1回1時間しかないスクールカウンセリングだけではクラレの居場所とはなり得ないと不安が募った。
そこで、新たな『第三の居場所』として候補にあがったのは『塾』だった。
・・・
ただの塾ではなく「イケメン講師のいる」塾を探す
中学に入ってから学習意欲が全くなくなり、さらに遅刻や欠席が増えていることで、クラレはだんだん授業にも付いて行けなくなっていた。
勉強が遅れていくことも学校を行きにくくしている要因になっているのではなかろうか。
クラレが行きやすいと思える「塾」があれば、学習意欲も上がり、勉強の遅れも取り戻せ、かつクラレにとっての第三の居場所に塾がなり得るかもしれない。
そんな思いから、塾を探すことは正しいことの様に思えた。
クラレに塾について打診してみると、案の定、クラレ本人も勉強の遅れのことは見た目以上に気にしていた様子で、塾に通うという私からの提案に対して前向きな返事をしてくれた。(ヨシッ!)
そんな訳で、さっそく塾探しスタートだ!
しかし、どこの塾でもいいという訳ではない。
一番のハードルは「クラレが気に入る」塾でなければならないことだ。
その為に絶対必要と思われる条件は
●コミュ障でも行きやすい「個別塾」であること
●クラレ好みの「イケメン講師」が在籍すること
「個別塾」はまぁ探すことは容易だろう。
だが「イケメン講師」はかなり難しい条件だ。
運によるものが大き過ぎる。
前途多難。
だが、これをクリアできれば、クラレが食いつく確率は格段に上がることも分かっていた。
なのでできる限り探すしかない、と腹をくくった。
・・・
自宅から通える塾が限られているという現実
塾を探し出してすぐに気付いたのだが、なんと自宅からクラレが自分で通えそうな個別塾はたったの2ヶ所だけだった。
自宅が鉄道の駅から遠い閑静な住宅街だからっていうか、はっきり言って田舎だからというのが原因だ。
塾があわよくばクラレの第三の居場所になってくれるかも・・・という淡い期待があるので、あまり遠くの塾は考えにくかったことも大きい。
「クラレが自分で行ける範囲内」という条件だと、どう考えても2つの個別塾しか該当しなかった。
この2つの塾にイケメンっているんだろうか・・・?
絶望的な思いが沸き上がるが、とにかく行ってみるしかない。
だが、一応念の為に事前にクラレには確認しておいた。
「クラレ、家から通える個別塾を探したら、2つしかなくてね。
イケメンの先生は居ないかもしれないけど・・・それでも塾に行きたいと思う?」
しばらく考えた後、クラレは答えた。
「・・・イケメンじゃなくても優しい先生やったらいい」
よっしゃー!!
ハードルが少し下がった!
どうか、この2つの塾にクラレが気に入るような先生がいますように!
祈るような気持ちで、2つの塾に体験授業を申し込み、すぐに日程が決まったのだった。
・・・
はたしてイケメン講師はいるのか?いざ!体験授業へ!
クラレから「イケメンじゃなくても優しい先生ならいい」と、嬉しい言葉を聞けて俄然希望が見えてきた塾探し。
家から通える2つしかない個別塾に体験授業を申し込み、さっそく授業を受けることになった。
最初に体験に行った塾は昔ながらの学習塾といった感じで、机や椅子も学校で使われているものと同じもので非常に年季が入っている感じだった。
老舗感が漂う。
この塾の個別指導は先生一人に対して生徒は最大3人までで、体験に行った日はクラレの他に1学年上の男子生徒が居て一緒に授業を受けていた。
そして肝心の先生は年配の女性で、ベテランぽい雰囲気な『ザ・先生』といった感じだ。
私から見た第一印象は、クラレの怖がりそうなタイプだったのでちょっと不安になってしまった。
体験授業の様子は私は見ることはできないので、終わってからクラレに話を聞いてみた。
「最初は怖い先生かと思ってたけど、教え方はやさしかった。
あと、一緒に受けてた男子が全然先生の言う事聞いてなくておもしろかった」
と、意外にも感触は良さそうだった。
案外クラレの許容範囲は私が思っているよりも広いのかもしれないと思った。
その数日後、2つ目の塾の体験授業へ行った。
こちらは数年前にできた新しい塾で、室内もオフィスの事務所の様な雰囲気だ。
企業の商談スペースの様なパーテーションで仕切られた小さな部屋がいくつもある。
最初の昔ながらな塾とは対照的な印象だった。
そしてその後クラレと私はアンビリバボーな体験をすることになる。
2つ目の塾の入り口を入り、誰か出てくるのを待っていると、奥の部屋から塾長らしき人物が現れた。
その人物を見た瞬間、度肝を抜かれた。
180㎝はゆうに超えてる高身長!
スーツを着てても分かるガッシリとした体つき!
茶髪に切れ長の目!
そしてなにより若い!どう見ても20代後半??
まごうことなきイケメンがそこに居た。
『うおおお~~~・・・!ホントに塾の先生なのか!?!?』
予想外のイケメンの登場に思わずたじろいだが、必死で保護者としての平静を装い、挨拶を交わしてクラレはさっそく体験授業へ。
体験授業の先生は塾長とは違うタイプの可愛い系男子(こっちも若い!)だった。
これはひょっとしてひょっとするかも?
期待が高まっていた。
体験授業終了後、クラレに感想を聞いてみると
「めっちゃ楽しかった!分からんかったとこも1つ分かるようになった!」
と思った通りの好印象。
もう答えは決まっているだろうと思ったが、念のために聞いてみた。
「最初に行った塾とどっちがい・・・」
言い終わる前に返事か返ってきた。
「絶対にこっち!!」
だよねー。
奇跡的にイケメン先生の居る個別指導塾が見つかり(しかも自宅から一番近い)、これはもう運命と言うしかないと思った。
すぐさま入塾手続きを進め、2学期も終わりの時期ということもあり、週に1回の個別授業と冬期講習の受講を申し込んだ。
「3学期はテストでいい点とって、みんなを驚かせるわ!」
いつになくクラレの意気込みも感じられた。
この塾で先生との良い関係をつくることができれば、勉強にも前向きになれるだろうし、塾が開校している時間帯ならば自習室には行きたい時に自由に行けるので、クラレの居場所になり得るかもしれない。
そうなってくれたらどんなにいいだろう。
そうなってくれるんじゃないか。
私は期待していた。