なんとか生きて大人(蝶)になってほしい!願いは届くか・・・!?まさかの青虫お世話の結末とは・・・?
数日間、葉っぱを食べなかった青虫くんが、ようやくレモンの葉っぱを食べ出した。
生命の危機を脱したあおむしくんは、その後は元気にスクスク育っている。
朝起きたら、まずあおむしくんに新しいレモンの植木の葉っぱを摘んであげるのが日課となっている。
その時にカゴの中のお掃除も忘れない。
あおむしくんは日に日に葉っぱを食べる量が増えていってるので、ウンチの量も多くなってきた。(ヨシヨシ)
新しい葉っぱを入れてあげるとあおむしくんはムシャムシャと食べだす。
日に日に色艶もよくなってきた。
よくぞここまで持ち直してくれた!
エライぞ!
きっともう大丈夫だ。サナギになるのが待ち遠しい。
その後もあおむしくんはどんどんと葉っぱを食べて元気に過ごしていた。
そんなある日、あおむしくんはカゴに入れている木の枝の一番上まで登って、さらに上に行こうとしていた。
「いよいよサナギになる場所をさがしてるのかな?」
期待がふくらむ。
あおむしくんは蝶になるんだ!
・・・
・・・
・・・
そう思っていた
それなのに
サナギになる場所を探しているかの様に枝を登っていたあおむしくんは、その後急に葉っぱを食べなくなり、動かなくなってしまった。
レモンの植木から取ったばかりの新鮮な葉っぱをあおむしくんの口元へ持っていっても全く反応がない。
モゾモゾと動きはするものの、食べようとはしない。
なにかがおかしい…
1日経ち、2日が経過した。
あおむしくんはずっと葉っぱを食べない… 動かない…
とうとうあおむしくんはつかまっていた木の枝から落ちてしまった。
ずっとカゴの底でじっとしているあおむしくん。
せっかく太ってプニプニ可愛かった体が、またシワシワになって縮んでしまった。
原因が分からない…
せっかくここまで頑張って生きてきたのに、このまま死んでしまうの…?
新しい葉っぱをどれだけ入れようが、あおむしくんは動かない。
次の朝早く、真っ先にあおむしくんの様子を見に行くと
あおむしくんがもがいている!
苦しそうにクネクネともがくあおむしくん。
「あおむしくんが死んじゃう!?」
しばらくクネクネした後、あおむしくんは動かなくなってしまった。
これはアカン…
末っ子を呼んで、あおむしくんとのお別れが近いことを伝える。
「しんじゃうの?」
末っ子はそう呟いただけだったが、末っ子なりに「あおむしくんの死」を察した様だった。
あおむしくんは時々動くことはあったが、横たわったままでもう葉っぱにつかまることもできない。
・・・
次の日、あおむしくんは完全に動かなくなってしまった。
あおむしくんをマンションの廊下でみつけた日から、約10日が経っていた。
見つけた時には既に「終齢幼虫」だったあおむしくん。
それから10日も青虫状態だったのは、やはり栄養不足だったんだと思う。
見つけてから数日間はかんきつ系植物の葉っぱがなくて、そこら辺に自生している木の葉っぱをあげていたし…
長女からの「遊び」と称するイジメにも耐え、レモンの葉っぱをもらえ、食糧難からも脱したあおむしくんだったが、サナギになれるほどの栄養を蓄えることができなかったのかもしれない。
それでも、あおむしくんは懸命に生きようとしていた。
そのひたむきさに、たくさんの力をもらえた。
あおむしくんと過ごした10日間はこの夏の大切な思い出だ。
ありがとう、あおむしくん。
あおむしくんはこれからもずっと心の中で生き続けます!
あおむしくんはレモンの植木に埋めました。