哲学者カール・ポッパー
大学に入って、英文を読む授業があった。テキストはカール・ポッパーの本だった。
全く興味がわかないし、書いてあることも分からなかった。
長い間、そのことが気になっていた。いったいこの人は何をした人なんだろう。
というわけで、ネットや本で整理してみた。AIにもたすけてもらいました。
もう少し基礎知識があれば、楽しく学べたはずだったなあ。虎岩先生ごめんなさい(後悔)
カール・ポッパーは、20世紀を代表する哲学者の一人で、科学哲学、政治哲学、社会哲学など幅広い分野で活躍しました。彼の思想で最も有名なのは「反証可能性」という概念です。
簡単に言うと、「反証可能性」とは、ある理論が科学的であるためには、それが反証される可能性、つまり「間違っている」と証明される可能性を持っていなければならない、という考え方です。
例えば、「明日、太陽は東から昇る」という主張は、明日になればそれが正しいか間違っているか検証できます。
「神は存在する」という主張は、それを反証するような証拠を見つけることができません。
ポッパーは、前者のような反証可能な主張こそが科学的なものであり、後者のような反証不可能な主張は科学的ではないと考えたのです。
ポッパーは、この考え方を科学だけでなく、政治や社会にも応用しました。彼は、「開かれた社会」という理想を掲げ、社会は常に批判と反証を受け入れ、変化していくべきだと主張しました。
なるほど、哲学とは言え、科学、政治にも通じる思想のようです。
彼の考える科学的方法は、以下のようになります。
問題:解決すべき問題を設定する。
仮説:問題を解決するための仮説を立てる。
反証:仮説を反証するための実験や観察を行う。
結果:反証に成功すれば仮説は棄却され、新しい仮説が求められる。反証に失敗すれば、仮説は一時的に支持される。
このように、科学は常に反証の試練にさらされながら、より精度の高い理論へと発展していくのです。
開かれた社会と批判
ポッパーは、全体主義や独裁主義のような「閉じた社会」を批判し、「開かれた社会」こそが理想的な社会であると主張しました。「開かれた社会」とは、個人の自由と権利が保障され、多様な意見が自由に表明できる社会です。
社会には、批判が不可欠だということなんだ。
批判によって誤りを修正し、より良い社会へと近づいていくことができるからです。ポッパーは、政治においても、常に批判を受け入れ、柔軟に政策を変更できるような体制が重要だと考えました。
著書としては
『科学的発見の論理』: ポッパーの主著であり、反証可能性の概念を詳しく解説した本。
『開かれた社会とその敵』: 全体主義を批判し、開かれた社会の重要性を論じた本がある
カールポッパーへの批判ももちろんある。
カール・ポッパーの思想、特に彼の反証可能性の概念は、多くの哲学者や科学者から高く評価されていますが、同時に様々な批判も寄せられています。主な批判点は以下の通りです。
反証主義の限界
実際には反証は難しい: 現実の科学においては、実験や観察の結果が理論と矛盾する場合、すぐにその理論が棄却されるわけではありません。実験の誤差や他の要因の影響などを考慮して、何度も検証が行われます。また、理論を補助する仮説を導入することで、反証を回避することも可能です。
反証だけでは科学は進歩しない: 科学の進歩には、反証だけでなく、新しい理論の構築や既存の理論の修正なども重要です。反証主義は、科学における創造的な側面を軽視しているという批判があります。
批判はいいけれども、そんなことばかりしたらオリジナルな考えは出てこないってことのようです。
すべての科学が反証可能ではない: 進化論や地質学など、歴史的な出来事を扱う科学は、反証が難しい場合があります。また、社会科学や心理学など、人間の行動を扱う分野でも、反証可能性を厳密に適用することは困難です。
2. 開かれた社会の理想と現実
自由の弊害: ポッパーは、開かれた社会においては個人の自由が最大限に尊重されるべきだと主張しましたが、現実には、自由の行き過ぎは社会の秩序を乱す可能性もあります。
歴史主義への批判: ポッパーは、歴史には法則性はなく、未来を予測することは不可能だと主張しましたが、歴史学や社会学などでは、歴史における一定の傾向や法則性を明らかにしようとする試みが行われています。
知識の成長に関する批判: ポッパーは、知識は試行錯誤を通じて成長していくと主張しましたが、人間の認知能力には限界があり、試行錯誤だけでは知識の成長を説明できないという批判もあります。
ポッパー自身も、これらの批判に対して様々な回答していたようです。
例えば、反証主義の限界については、反証はあくまでも科学的方法の理想的なモデルであり、現実の科学においては様々な要因が絡み合っていることを認めています。
また、開かれた社会の理想については、自由には責任が伴うことを強調し、社会における批判の重要性を訴え続けています。
カール・ポッパーの主要な著作である『科学的発見の論理』ってどんな内容?
この本は、ポッパーの科学哲学の集大成であり、「反証可能性」を軸に科学の性質を論じています。ポッパーは、従来の科学観を覆し、科学は観察や実験によって真理を証明するのではなく、反証を通じて誤りを排除していくプロセスだと主張しました。
ポッパーを読む意義はなんだろう。
ポッパーの著作は、科学哲学、政治哲学、社会哲学など、幅広い分野に影響を与えました。
彼の思想は、現代社会においても、批判的思考力、民主主義の理解、社会への積極的な参加を促すものとして、重要な意味を持ち続けています。
なるほど、40年ぶりに何となく分かった気がする。次は本を再読してみます。