姜徳相さんの遺言
先日、在日韓国人初の国立大教授となった歴史学者・姜徳相さんの死去が伝えられた。膨大な資料を読み込んで、植民地支配を受けていた時代の朝鮮の人たちの歴史を丁寧にたどった。特に関東大震災時の朝鮮人虐殺の解明は最大の業績だろう。
1度お会いしたいと思って 機会がないままになっていた。ずいぶん長い間闘病生活をされていたようだ。
教え子たちが今年春、姜さんに聞き書きした本をまとめ、出版した。「時務の研究者 姜徳相」(三一書房)だ。姜さんの遺言のような本だ。
その中にこんなことが書かれている。「日本には、歴史への反省なんか全くない。北(北朝鮮)と南(韓国)が一緒になることは日本の脅威なんです。日本は分断を国策としてきたからです。戦後の日本の外交方針を一変しなきゃならない。」
最近の日本国内のムードについても「反韓、反朝鮮感情、そんなものを煽る。日本人の弱点は、朝鮮と日本の関係をあまりにも知らなすぎることです。そして政権の煽動に乗りやすい。こういうことは日本の歴史の教え方がまちがっているから起こることです」
歴史の都合のいい部分だけみて、酔っていていいのだろうか。姜さんの本を、あらためて読み直している。
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