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雑草は立ち上がらない

暑いですね。毎年、この時期になると暑さに参るのに、過ぎてみると懐かしくなったりします。

さて、暑いといえば雑草はもっとこたえているはずです。地面に生えていますからね。

雑草魂なんてよく言います。踏まれても踏まれても立ち上がる。

実は違うんですね。

植物学者の稲垣栄洋さんは、「雑草という戦略」という本でこう書いています。

「雑草は踏まれても踏まれても立ち上がる」もしかすると、雑草に対してそんなイメージを抱いていないだろうか。

残念ながら、それは誤解である。もしかすると、一度や二度踏まれたくらいであれば、雑草は立ち上がってくるかも知れ ない。

しかし、何度も踏まれると雑草は立ち上がらなくなる。「踏まれたら、立ち上がらない」というのが本当の雑草魂なのだ。

雑草魂というと、踏まれても踏まれても立ち上がる不屈の魂をイメージするかも知れな い。雑草のように頑張ろうと歯を食いしばってきたのに、それでは、あまりに情けないと がっかりするかも知れない。

しかし、本当にそうだろうか。私は、「立ち上がらない雑草魂」こそが、雑草のすごさであると断言できる。冷静に考えてみてほしい。

そもそも、どうして立ち上がらなければならないのだろうか。雑草にとって、もっとも重要なことは何だろうか。それは、花を咲かせて種子を残すことにある。そうであるとすれば、踏まれても踏まれても立ち上がるというのは、かなり無駄にエネルギーを浪費することである。

そんな余分なことにエネルギーを使うよりも、踏まれながらどうやって花を咲かせるか ということの方が大切である。踏まれながらも種子を残すことにエネルギーを注ぐ方が、 ずっと合理的である。

だから、雑草は立ち上がるような無駄なことはしない。

踏まれている雑草を見ると、踏まれてもダメージが小さくなるように、地面に横たわる ようにして生えている。 そして、雑草は踏まれながらも、最大限のエネルギーを使って、 花を咲かせ、確実に種子を残すのである。

踏まれたら立ち上がらなければいけないというのは、人間の勝手な思い込みではないだ ろうか。プライドや世間体のために立ち上がろうとしているだけではないだろうか。

踏まれても踏まれても立ち上がるやみくもな根性論よりも、雑草の戦略は、ずっと合理的である。そして、ずっとしたたかで、たくましいのである。

99-100p

つまり、踏まれ強さ、resilienceが大切ってことだ。

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