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山崎与次兵衛アーカイブ:三輪眞弘

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これまでWebページ、Blog記事などの形で20年に亘って公開してきた三輪眞弘さんについての文章をアーカイブ。
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#幽霊

「魔法の鏡」に関する三輪眞弘氏に宛てた応答の断片、または「新しい時代」への応答のための準備作業

三輪眞弘「魔法の鏡、または、三浦基氏に宛てた「光のない」の私的パラフレーズ」(F/Tジャーナル創刊号) (...)「パルジファル」の第2幕、魔術師クリングゾールは様々な魔法の道具が置かれた部屋の 中で、とりわけ鏡を扱うというト書きの指定がある。例えばクプファーの演出では、構造上 クリングゾール/クンドリーによる前半と、パルジファル/クンドリーによる後半の場面転換の繋ぎ、 両者を橋渡しする幕間の狂言の如きものとしての「花の乙女」の場面を、多数のモニターに 映し出させる花と乙女

「言葉の影、またはアレルヤ」について(前半)

I. 1970年の今日、5月12日はパリ郊外のある墓地でツェランの葬儀があった日です。 日付というものは、そのように記録し記憶されなくてはならないと私は思います。 そして「言葉の影、またはアレルヤ」におけるそれ、「子午線」における1月20日に相当する 日付、私達の「1月20日」は、5月24日なのでしょう。(自己の出会うすべてに対して 払おうとする心遣い、すべての日付を記憶しようとする集中力は、更に「子午線」の中に、 偶然にも、もう一つの5月24日が書き留められていることに

「舞楽 算命楽」日本初演を聴いて

聲明付「舞楽 算命楽」 日独交流150周年<創造する伝統>委嘱作品(日本初演) 雅楽:東京楽所 舞人 <東の舞人> 笠井 聖秀 <西の舞人> 小原 完基 鞨鼓 松井 北斗 太鼓 高多 祥司 鉦鼓 金澤 裕比子 笙 野津 輝男 中村 容子 篳篥 山田 文彦 四條 丞慈 笛 片山 寛美 植原 宏樹 声明:真言宗法響会・天台聲明音律研究会 2011年6月19日:東京オペラシティー コンサートホール (…)ここでもまた、日付の跨ぎ越しが起きていることに気付かざるを得ない。3月11

フォルマント兄弟「フレディーの墓/インターナショナル」 「デジタル・ミュージック」における6つのパースペクティブについてのメモ

最初にお断りしておくが、私は「フレディーの墓/インターナショナル」という「作品」が提示していると私が感じ取り、あるいは認識しているものの意義の 大きさについて確信しているし、以下のような文章を書いたからといって、その評価を撤回なり補正なりすることを意図しているのではない。それ以前の三輪さん単独での 逆シミュレーション音楽の企図、その後のNeo都々逸シリーズの展開といった展望の中に位置づけたとき、「フレディーの墓/インターナショナル」の中の 「デジタル・ミュージック」における6