日記・ポリフォニー・門:ジッド『狭き門』からモノローグ・オペラ「新しい時代」へ(7)
7.
「狭き門」が何故、例外的な「成功」となったのか?ここでいう成功は、いわゆる作品としての出来といった側面からの評価を伴う。 ジッドの時代が過ぎ、時代遅れの過去の作家となり、ジッドの他の作品が(おそらく「田園交響楽」を例外として)ほぼ読まれなくなったとき、 だが、「狭き門」のみが生き延びるとしたら、「法王庁の抜け穴」や「贋金づくり」を評価し、あるいは「背徳者」「地の糧」を評価する側からすれば、 それはあまりに一面的な、歪んだ受容ということになるだろう。だが、この受容の歪み