見出し画像

全ての人の気持ちに寄り添う

本日で東日本大震災から丁度10年が経過したことになります。

震災発生当時は1号店の閉鎖も決まり、2号店の経営もぎりぎりの状況で、資金的にも精神的にも全く余裕のない状況でした。

そういった中で震災が発生しました。

九州にいたので直接の被害はありませんでしたが、TVから流れてくる映像を見ながら、とんでもないことが起きていると衝撃を受けたのを覚えています。

と同時に飲食店経営者という立場からは、この震災が経営に及ぼす影響についても思いを巡らせていました。

2号店はショッピングモールの中にあり、予約が沢山入るようなお店ではありませんでしたが、自粛ムードは日本全国に及び、九州においても来店のお客様が一気に減っていきました。

これが続いたら資金がショートするといった不安感を抱えながらも、この国難の状況において今の自分にいったい何が出来るのだろうかと考えたりもしました。

そして時間が経過するにつれ、被害もどんどん深刻になっていき、日本国民が一体となって力を合わせてこの国難をのりきろうという雰囲気に一斉になっていきました。

以前に私が所属していた会社では、全社員が一丸となって社会貢献活動をしている様子が私の耳や目にも入ってきました。

自分も何か貢献しなければという思いもありながらも自身の会社を倒産させないように経営していくことで必死でした。

当時はスタッフも10名程度でしたが、まず自分に出来ることをしっかりとやる、給与の支払いや取引先への支払いをきちんとし続ける、そのことにより経済をストップさせない、と自分に言い聞かせていたように思います。

その一方で、被災地支援のような活動を一切できなかったことに、何とも言えない無力感を感じて、「自分は社会にとって必要な人間なのだろうか」なんて考えたりもしていました。

そのようなこともあり、震災鬱のような状態がしばらく続いていたと記憶しています。

それから月日が流れ5年後の2016年に九州熊本大分大震災が発生しました。

この時は資金的な余裕も出てきたことと、自店のお客様が被災したこともあり、お店の物資を被災地に届けたり、自身のお店でチャリティーイベントを実施したりしました。

この時は友人や被災された方々に感謝もされとても幸福な気持ちになりましたし充実感も覚えました。

社会に貢献できている喜びや人から感謝される喜びを得ることが出来たのです。

この二つの経験もあり、被災者の気持ちに寄り添うことはもちろんですが、支援したくても出来ない人の気持ちにもきちんと寄り添いたいと思うようになりました。

ボランティアスタッフや積極的に支援をしている人はもちろん素晴らしいですが、一方で支援する余力がなく何も支援活動が出来ないながらも、必死になって今を生きている人、自身のスタッフや家族や会社等、身近に守るべきものを必死になって守ろうと頑張っている人も素晴らしいのです。

そして支援出来ない状況で、思い悩み辛い思いをしている人々もいるのです。

震災から10年、そんな思いを抱きながら、被災された方々の想いに寄り添い、そしてまたその陰で苦しんだ多くの方々の想いにも寄り添えればと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?