適正な価格
日本の外食価格は他の先進国に比べて極端に安いと言われています。
イタリアンバジル(自店)の近辺でもランチはワンコイン〜1000円以下で食べられるお店が沢山あります。
お弁当もご承知の通りかなり安いです。
10年前からあまり変わっていない印象です。
約10年前に薬院に今のお店を出店する際、その場所で営業していた経験のある大家さん(飲食店も別の場所で経営中)から「ランチ価格はワンコインくらいが良い。そうじゃないとこのエリアだと集客が難しい」とアドバイスを受けました。
しかし、別の場所でやっていたのと同じ内容で、少し値上げした価格でスタートしました。
それは「提供する内容に対してその価格が適正かどうか」と言う視点で判断したからです。
適正な価格の見極めは難しいですが、そこには確固たる信念が必要です。
適正な価格は適正な収益を生みます。
価格が安すぎると、結局そのしわ寄せはスタッフメンバーにいきます。
悪く言えば「スタッフから搾取した分をお客様に還元する」と言う見方も出来ます。
相場より高い価格帯でもお客様に満足してもらえるような内容にすれば良いのです。
適正かどうかはお客様が決めるのです。
市況(周辺価格)が決めるわけではないのです。
また「どのようなお客様をターゲットにするのか」といったお店のコンセプトもあります。
お店のコンセプトにもよりますが、安くしなければ来てくれないようであれば、その程度の内容だと言うことです。
もちろん「良いものをより安く」は経営の基本原則です。
それを目指す企業姿勢を否定しているわけではありません。
あくまでも適正価格の問題です。
仮に利益が出たとしてもスタッフメンバーにしわ寄せがいかなければならないような価格設定は適正ではないと言うことです。
この部分は飲食業界の永遠の課題でもあります。
イタリアンバジルも「アルバイトスタッフに2000円の時給を」ということを目指してやっていますが、現時点ではまだ達成できていません。
ただ不可能な目標ではないと思っています。
まだ値上げの余地があると思っていますが、値上げの先にはお客様もいます。
お客様のことも考えなければいけません。
やはり適正価格の見極めは難しいし、それは経営における永遠の課題ということかと思います。