言葉の宝箱 1030【飛びこんでいかないと、人は本物の気持ちを見せてくれない。大事な相手には壁をつくるなよ】
『東京バルがゆく②不思議な相棒と美味しさの秘密』似鳥航一
(メディアワークス文庫2017/5/25)
移動式バルが結ぶ、ささやかな出逢いの物語。
『東京バルがゆく 会社をやめて相棒と店やってます』の続編。
『完熟トマトの冷製スープ』『ピッツァ・マルゲリータ』
『牛肉の赤ワイン煮込み』『救済』4話連作短編集。
・きっとだれにでもあることだろう。
手に入れたと思っていたものが、
いつもまにか指の間から徐々にこぼれ落ちていたことに気づき、
ふいに心細くなる。
来た道をふり返り、それがほんとうに正しい選択だったのか、
自らに問いかけたくなる時期が人には何度か訪れるものだ。
訪れなければ幸運であるが、深みを欠く P29
・人生ってなんだと思う?(略)
俺は、人と人が、どうかかわっていくかってことだと思うよ(略)
自分から飛びこんでいかないと、人は本物の気持ちを見せてくれない(略)大事な相手には壁をつくるなよ P183
・生きていれば必ずしもいいことばかりではありません。
本人にはなんの非もないのに、
予想もしない困難に見舞われたり、悲劇に襲われることもあります(略)
それでも、思ったほどわるいものじゃない(略)
救済は与えられる。なぐさめもある(略)
たとえ癒えようもない傷と痛みを心に抱えていても、
奇跡はいつか起こり得る。救済は与えられる。なぐさめもある。
だから少しずつでも、前に歩み続けよう P278