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言葉の宝箱 1028【言葉って生き物だからね。成長もすれば、老いたりもするんだよ】
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『気まぐれ食堂』有間カオル(創元推理文庫2018/5/11)
調理師の実果は念願の三ツ星レストランで働き始めた
矢先にケガをして失業、恋人にも逃げられてしまう。
不運が重なり思いがけなく時間ができた
彼女は当てもないまま瀬戸内の小島に旅行する。
そこで待っていたのは気まぐれで営業する風変わりな食堂。
食堂を通じて様々な経験をしていく内に
実果は少しずつ自分の夢と向き合っていく。
豊かな自然、美味しい料理、島の人との交流。元気と癒しを与えてくれる、夏休みのような小説
・仕事を失ったのも、恋人が離れていったのも、
すべてタイミングが悪かった。それだけだ。
まったく自分に非がないわけではないこともわかっている。
でも、運が悪かったのだ P21
・人には向き不向きがある。向いていることで、がんばればいいさ P23
・諦めじゃない、現実を受け入れる P26
・生きる喜びを知った今、本当の悲しみが襲ってきた P102
・嘘や隠し事には、重さがある。
それはヘドロでできた鎖のように、
じんわりと精神を侵食しながら下へ下へと押しつぶしていくのだ P104
・失ったばかりではない。ちゃんと取り戻したものもある P128
・言葉って生き物だからね。成長もすれば、老いたりもするんだよ P203