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言葉の宝箱 0943【頑張れば報われるなら、勝負なんていらねえだろう。努力したって力がない奴は、それまでなんだ】


『雲は湧き、光あふれて』須賀しのぶ(集英社文庫2015/7/22)

夢の舞台を目指す者同士の友情、嫉妬、ライバル心、そして一体感。
少年達の熱い夏を描いた高校野球小説集。

『ピンチランナー』プロ入りを嘱望されていたスラッガーの益岡が最後の甲子園を前に故障した。補欠の須藤は益岡専用の代走に起用される
『甲子園への道』新人スポーツ記者の千納は強豪高のエースの取材を命令されるが、彼女が目を惹かれたのは対戦相手の弱小公立のピッチャー
『雲は湧き、光あふれて』昭和17年戦火が拡大し、甲子園大会は中止の憂き目に遭う。それでも、あの場所を目指して努力を続ける少年たちがいた

・選手に阿った記事を書けば信頼を得られるかと言えば、そうじゃない。
俺たちは太鼓持ちじゃないし、
逆にバッシングに乗っかかる野次馬でもない。
公正であること。それが全てだ P141

・負けたくない。否定されたくない。
だから最初から、興味のないふりをする。
そこそこでいいんだ、と自分に言い聞かせてる。
だけどそんなのは、嘘なんだ。
わたしは、君は、ここにいる。ずっと叫んでいる P147

・図星をつかれるほど、人の怒りを煽るものはない P174

・常に相手のよいところを探して、信じようとする P182

・頑張れば報われるなら、勝負なんていらねえだろう。
努力したって力がない奴は、それまでなんだ P190

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